
神別
海部氏は、丹後・若狭を拠点とした神別の氏族。海部直の祖と伝わり、丹後・若狭・尾張などに分布した古代海人族の氏族。
海部氏は、丹後国与謝郡(現京都府宮津市周辺)を本拠とした海人系神別氏族。海部直(あまべのあたい)の姓を持ち、丹後一宮 籠神社(このじんじゃ)の宮司家を世襲した。家伝の『海部氏系図』は現存最古の系図として国宝に指定され、古代海人族の系譜資料として比類ない一次史料である。
『新撰姓氏録』右京神別下は、海部直を天火明命(あめのほあかりのみこと)の後裔と記す。天火明命は天照大神の御子で、邇邇芸命の兄にあたる天津神。同祖の尾張氏(既出 owari-clan)は尾張国を本拠とし、海部氏は丹後を本拠として併立した。天火明命は『先代旧事本紀』では饒速日命と同神とする説もあり、海部氏祭祀圏は天孫系と物部系の結節点をなす。同じ海人族の阿曇氏(既出 azumi-clan)とは綿津見神系の祖神を異にするが、海上交通の祭祀職という点で並立した。
『海部氏勘注系図』は丹後国宮司海部氏に伝来する家伝系図で、初代を彦火明命とし、始祖から第 82 代までの系譜を記す。本系図および『海部氏本系図』は貞観年間(859–877)の成立とされ、昭和五十一年(1976 年)に国宝に指定された。海部氏は古代から中世にかけて籠神社の宮司職を世襲し、丹後地方の祭祀権を継承した。現代でも宮司は海部姓を称する系統が継ぐ。
籠神社(京都府宮津市大垣)は丹後国一宮で、天火明命を主祭神とし、相殿に豊受大神・天照大神・海神・天水分神を祀る。伊勢神宮外宮 豊受大神の元宮「元伊勢」の伝承を持ち、奥宮 真名井神社(同市江尻)は古代の磐座祭祀を残す。同祖の尾張氏が奉斎する熱田神宮(既出)とは天火明命祭祀圏を共有し、東海と日本海側を結ぶ古代海人族の祭祀圏を構成する。
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・海部氏族条
一次文献藤原緒嗣 他(弘仁6年勅撰)
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・海部氏族条に基づく海部氏の代表的な典拠整理。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2543361Wikipedia「海部氏 (古代豪族)」
二次資料Wikipedia「海部氏 (古代豪族)」を参照した海部氏の系譜・地域的受容の補助確認。
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=海部氏+古代豪族