
神別
土師氏は、摂津・和泉を拠点とした神別の氏族。野見宿禰を祖と伝え、葬送・陵墓管理と陶作技術を担った土師職の古代氏族。
土師氏(はじし)は、葬送儀礼・陵墓の造営管理と埴輪・土器の製作を担った神別氏族。野見宿禰(のみのすくね)を祖と伝え、垂仁朝の殉死代替伝承を職掌の起源とする。摂津・和泉・大和を中心に展開し、奈良時代以降は分流から菅原氏・大江氏・秋篠氏を分出して、学問・文章道の名族へと転じた。
『新撰姓氏録』左京神別下の土師宿禰条は、土師氏を天穂日命(あめのほひのみこと)の十四世孫 野見宿禰の後裔と記す。天穂日命は『古事記』国譲り段で天照大神から葦原中国に遣わされた天津神で、出雲国造の祖神と同一。土師氏は出雲国造と同祖の神別氏族として位置づけられ、『日本書紀』垂仁三十二年条は、野見宿禰が殉死に代えて埴輪(はにわ)を立てることを進言し、その功により土部臣(はじべのおみ)の姓を賜ったと記す。
野見宿禰は『日本書紀』垂仁七年条で、出雲から召されて当麻蹶速(たいまのけはや)と相撲を取り勝った逸話で知られ、相撲の祖ともされる。土師氏は古墳時代以降、王陵造営の専門集団として律令制下まで陵戸職を担った。奈良時代後期の天応元年(781 年)、土師宿禰古人(土師道長)が「居地は奈良の菅原」として菅原宿禰を賜姓されたのを契機に、土師氏は菅原氏・大江氏・秋篠氏に分流した。後の菅原道真(既出 sugawara-clan)はこの分流の系統である。
道明寺天満宮(大阪府藤井寺市道明寺)は土師氏の氏寺 土師寺(道明寺の前身)を起源とし、菅原道真の伯母 覚寿尼に縁の社として、土師氏・菅原氏共通の氏神信仰圏の中核を成す。野見宿禰神社(奈良県桜井市出雲)は土師氏の祖を祀り、出雲との同祖伝承を伝える古社。大阪府堺市の土師町・百舌鳥古墳群の周辺にも、陵戸職としての土師氏の祭祀痕跡が残る。
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・土師氏族条
一次文献藤原緒嗣 他(弘仁6年勅撰)
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・土師氏族条に基づく土師氏の代表的な典拠整理。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2543361Wikipedia「土師氏」
二次資料Wikipedia「土師氏」を参照した土師氏の系譜・地域的受容の補助確認。
https://ja.wikipedia.org/wiki/土師氏