
神別
佐伯氏は、豊後・讃岐を拠点とした神別の氏族。天忍日命の後裔とも伝わる古代豪族で、空海(弘法大師)を輩出した讃岐の氏族。
佐伯氏は、宮廷の警護と軍事を担った神別氏族で、大伴氏と同祖。「佐伯」は古代の俘囚(ふしゅう)または騒がしい人を意味する語に由来するとされ、宮門の警備・行幸の前駆を職掌とした。大和に本宗があり、讃岐・伊予・豊後など各地に同族が分布した。讃岐佐伯氏からは平安初期に空海(弘法大師)を輩出した。
『新撰姓氏録』左京神別上の佐伯宿禰条は、佐伯氏を大伴氏と同じく天忍日命(あめのおしひのみこと)の後裔と記す。天忍日命は『古事記』上巻 天孫降臨段で、邇邇芸命の降臨に先立ち天津久米命とともに大刀・弓矢を帯びて護衛役を担った神格。同祖の大伴氏(既出 otomo-clan)は宮廷武門の本宗、佐伯氏はその同祖傍流として並立する。同祖系譜には佐伯部・久米氏が連なり、古代軍事氏族圏を成した。
佐伯今毛人(さえきのいまえみし、719–790)は奈良時代の造東大寺司次官として大仏造営に参画し、後に大宰大弐・参議を歴任した。平安初期の空海(774–835、俗名 佐伯眞魚)は讃岐国多度郡屏風浦(現香川県善通寺市)の出身で、延暦二十三年(804 年)に入唐し、恵果阿闍梨から真言密教を授かって帰国。弘仁七年(816 年)に高野山金剛峯寺を開創し、真言宗の祖となった。佐伯氏は伴造制下で各地の佐伯部を統率したが、平安期には嵯峨天皇諱「神野」との重複を避けて改姓した系統もある。
讃岐の善通寺(香川県善通寺市善通寺町)は空海の生誕地で、父 佐伯善通の邸宅を寺としたと伝え、真言宗善通寺派の総本山。佐伯祖廟として讃岐佐伯氏の氏神信仰圏の中核を成す。大和の佐伯院(廃寺)は大伴氏の佐保丘陵の同祖祭祀圏に連なる。京都の大覚寺・神護寺などにも、空海と佐伯氏ゆかりの伝承が残る。
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・佐伯氏族条
一次文献藤原緒嗣 他(弘仁6年勅撰)
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・佐伯氏族条に基づく佐伯氏の代表的な典拠整理。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2543361Wikipedia「佐伯氏」
二次資料Wikipedia「佐伯氏」を参照した佐伯氏の系譜・地域的受容の補助確認。
https://ja.wikipedia.org/wiki/佐伯氏