
神別
高橋氏は、大和を拠点とした神別の氏族。磐鹿六雁命を祖と伝え、大嘗祭の供膳を司った神職系氏族。
高橋氏は、宮廷の供膳職(くぜんしき)を世襲した神別氏族で、膳臣(かしわでのおみ)の後裔。「高橋」の氏名は、孝徳朝に大和国添上郡の高橋邑(現奈良市高橋町付近)の地名を負って賜姓されたことに由来する。大嘗祭・新嘗祭の悠紀殿(ゆきでん)供饌を司り、内膳司(ないぜんし)の長官 奉膳(ぶぜん)を世襲した。
『新撰姓氏録』左京神別下の高橋朝臣条は、磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)を祖と記す。磐鹿六雁命は『日本書紀』景行天皇五十三年条において、東国巡幸中の景行天皇に堅魚(かつお)と白蛤(うむき)の膾を献じた功により、膳大伴部を賜って膳臣の祖となった神格。同祖系譜には若桜部・佐伯部などの伴造氏族が連なる。中臣氏・忌部氏とは別系統だが、宮廷祭祀の供物を担う点で祭祀職諸氏と職掌的に並立した。
高橋虫麻呂(生没年不詳、8 世紀前半)は『万葉集』に長歌・短歌計 36 首を残す宮廷歌人で、藤原宇合の従者として東国・常陸を旅した記録が歌に残る。高橋朝臣笠間は内膳奉膳として平安初期の宮廷供膳を主導した。延暦年間以降、内膳司の奉膳職は高橋・安曇両家が交互に務める慣例が成立したが、平安中期にかけて衰退し、家業の供膳職は儀礼伝書として残された。
高家神社(たかべじんじゃ、千葉県南房総市千倉町)は磐鹿六雁命を主祭神とする全国唯一の料理の祖神を祀る社で、内膳司の高橋氏ゆかりの氏神社として知られる。安房神社(千葉県館山市大神宮)は阿波忌部氏の祖 天太玉命を祀るが、磐鹿六雁命伝承の舞台が安房であることから、両社は古代房総の祭祀圏を共有する。供膳職の伝統は中世以降「四条流」「高橋流」の包丁式として神社儀礼に継承された。
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・高橋氏族条
一次文献藤原緒嗣 他(弘仁6年勅撰)
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・高橋氏族条に基づく高橋氏の代表的な典拠整理。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2543361Wikipedia「高橋氏 (古代氏族)」
二次資料Wikipedia「高橋氏 (古代氏族)」を参照した高橋氏の系譜・地域的受容の補助確認。
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?search=高橋氏+古代氏族