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伝承

安倍晴明伝説

公開検証済みあべのせいめいでんせつ

平安期の陰陽師 安倍晴明(921-1005)をめぐる説話群。式神使役、葛の葉狐母譚、芦屋道満との術比べが核を成す。

あらすじ

安倍晴明伝説は、平安中期の陰陽師 安倍晴明(あべのせいめい、921-1005)を主人公とする説話群である。少年期、賀茂忠行に師事して百鬼夜行を見抜き陰陽道を継承する逸話に始まり、十二神将と呼ばれる式神を一条戻橋の下に隠し置いて家事に使役したと語られる。播磨国の陰陽師 芦屋道満(あしやどうまん)との術比べでは、隠された柑子を蛙に変じて勝利する。後世には母を信太の森の白狐 葛の葉(くずのは)とする出生譚が結合し、人外の血を引く陰陽師像が完成する。

神話の構造

物語は「修行・術の獲得」「式神・占術による怪異制御」「ライバル道満との対決」「狐母譚による異類出生の付加」という四層構造を取る。平安貴族社会の不安(疫病・物の怪・天変地異)を陰陽道で鎮める術士像と、中世以降に付加された母系の異類婚姻譚が重なり、史実の安倍晴明と伝承の安倍晴明を二重に成立させる。

舞台・伝承地

京都市上京区の晴明神社は寛弘四年(1007 年)に一条天皇が晴明の旧邸跡に創建したと伝え、晴明を祭神として祀る。一条戻橋(京都市上京区堀川一条)は式神隠匿の伝承地、大阪府和泉市の信太森葛葉稲荷神社は葛の葉狐母譚の舞台、奈良県桜井市の安倍文殊院は安倍氏発祥の地として晴明伝承を継ぐ。

出典

最古層の説話は『今昔物語集』巻第二十四 第十六「安倍晴明随忠行習道語」(12 世紀前半成立)。『大鏡』『古事談』『宇治拾遺物語』『源平盛衰記』巻第十にも晴明の式神・占術譚が見える。中世陰陽道書『簠簋抄(ほきしょう)』『簠簋内伝金烏玉兎集』に狐母譚が現れ、近世には浄瑠璃『蘆屋道満大内鑑』(享保 19 年、1734 年初演、竹田出雲作)が芸能として大成させた。

出典

  • 今昔物語集 巻第二十四 第十六 安倍晴明随忠行習道語

    一次文献

    作者未詳

    『今昔物語集』巻第二十四 第十六に晴明が賀茂忠行に師事し百鬼夜行を見抜く逸話、式神使役、占術譚が記される最古層の説話資料。

    https://dl.ndl.go.jp/
  • 安倍晴明 - Wikipedia 日本語版

    二次資料

    Wikipedia contributors

    安倍晴明の生涯と式神使役・葛の葉狐母譚・芦屋道満との対決伝承、晴明神社・信太森葛葉稲荷神社など伝承地に関する二次整理。

    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%99%B4%E6%98%8E

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