
伝承
焼ける我が家を見て炎の不動明王の画を悟ったとされる絵仏師良秀の説話。宇治拾遺物語巻第三所収。
宇治拾遺物語 巻第三第六話「絵仏師良秀家の焼くるを見て悦ぶ事」に、絵仏師良秀という男が住んでいたところ、隣家から火が出て自宅にも風で炎が及び、家族を残して大路に逃げ出したとされる。良秀は通りの向かいに立ち、自宅が焼け落ちるのを眺めながら何度もうなずいて打ち笑っていたと記される。人々が「家が焼け失せ妻子も中にいるのにどうして笑っていられるのか」と問うと、良秀は「私が長年描けずにいた不動の炎の形を、今こそ会得した。これは儲け物だ」と答えたと記される。芸術への没入が常人の感覚を超える説話として知られる。
隣家からの出火、自宅への延焼、大路への避難、燃える家を眺める良秀の独笑、人々の問いかけ、不動の炎の悟りの告白、という段で構成される。芥川龍之介『地獄変』の原話となった。
平安京(京都)。具体的な住所の比定はなく、平安後期の都市的舞台として描かれる。
宇治拾遺物語 巻第三第六話(鎌倉時代前期、13世紀前半成立)。正宗敦夫編『日本古典全集 宇治拾遺物語』(日本古典全集刊行会、1929年、NDL pid/1110315)等で校訂本が刊行された。
宇治拾遺物語 — NDL デジタルコレクション
一次文献正宗敦夫編
日本古典全集所収。巻第三第六話絵仏師良秀家の焼くるを見て悦ぶ事
https://dl.ndl.go.jp/pid/1110315国文学研究資料館 書物で見る日本古典文学史 宇治拾遺物語
機関資料国文学研究資料館
13世紀前半成立の説話集、197話を収録する説話文学の代表的作品
https://www.nijl.ac.jp/etenji/bungakushi/contents/detail/detail03-01_011.html地獄変 — Wikipedia 日本語版
Wikipedia contributors
芥川龍之介地獄変の原典として宇治拾遺物語の絵仏師良秀家の焼くるを見て悦ぶ事を解説