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伝承

笠地蔵

公開検証済みかさじぞう

年越しに地蔵に笠を被せた老夫婦のもとに、夜半に地蔵が宝を運んでくるとされる日本各地の民話。

あらすじ

日本各地に伝わる民話で、貧しい老夫婦が年越しに売り物の笠を市に持って行ったが売れず、帰途に雪をかぶった六体(あるいは七体)の地蔵に出会うとされる。老夫婦は売れ残りの笠を地蔵にかぶせ、足りない分は自分の手拭いを掛けて家に帰った。その夜、地蔵たちが米俵や餅・宝物を運んできて家の前に置いていったと伝えられる。親切を施した無欲な善行者に思いがけない福運が謝礼としてもたらされる「致富譚」の代表として、地蔵信仰のある地域(沖縄を除く日本全国)に広く分布する。

主な場面

年越しの市、笠の売れ残り、雪の地蔵、笠の喜捨、家路、夜半の物音、宝の到来、という段で構成される。地蔵信仰と無欲な善行への報いという仏教的・民俗的主題が結びついた説話である。

舞台・伝承地

日本全国(地蔵信仰のある地域)。愛知県名古屋市南区 笠覆寺(笠寺観音)は寺名の由来として観音像に笠を被せた女性の縁起を伝え、笠地蔵説話と関連付けて言及される。

出典

關敬吾『笠地藏さま:日本昔話集』(少國民の日本文庫、大日本雄辯會講談社、1943年)。柳田國男・関敬吾を中心とする昭和期民俗学が「致富譚」として体系化した。

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