
呪物
人形代は、祓の儀礼で用いられる形代として、罪穢を移す祭祀具の型を整理する。
人形(ひとがた)は、紙・木・草などで人の形に作り、罪穢(つみけがれ)を移して祓い清めるための形代(かたしろ)である。撫物(なでもの)とも呼ばれ、六月晦日の夏越の祓(なごしのはらえ)・十二月晦日の年越の祓を中心に、各神社の大祓(おおはらえ)で用いられる。
形代に罪穢を移して祓う作法は『延喜式』巻八「祝詞」の大祓詞(おおはらえのことば)に基づき、古代律令制下の宮中祭祀として制度化された。『枕草子』にも陰陽師による撫物の場面が記される。神社では氏子が人形に自身の姓名・年齢を書き、息を吹きかけ、体を撫でて穢を移したのち、神職が川や海に流す形で祓が行われる。京都の貴船神社・上賀茂神社・伏見稲荷大社など、夏越の祓で人形を用いる例が広く知られる。
各神社の社務所で大祓の時期に頒布され、夏越・年越の祓で焼納または水に流される。雛祭の流し雛もこの形代信仰の系譜を引く民俗である。
指定なし。民俗信仰の場で受け継がれる祓の形代である。
延喜式 巻八 祝詞・大祓詞
一次文献藤原時平 他(延長5年)
延喜式 巻八 祝詞・大祓詞に基づく人形代の主要典拠。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2536384神道事典 形代項
二次資料神道事典 形代項を参照した人形代の補助確認。
https://d-museum.kokugakuin.ac.jp/eos/