
魔
災いをなす超自然的存在の総称で、仏教用語の魔(マーラ)に由来。日本では仏教悪魔・キリスト教悪魔・民俗的悪魔の三系統が習合した。
悪魔(あくま)は、災いをもたらす超自然的存在の総称で、Wikipedia 日本語版によれば「災いをなす原因と想定されるモノを漠然と擬人的に」捉えた概念である。日本における悪魔は、仏教の魔(梵語マーラ、Māra)に由来する仏教悪魔・後世のキリスト教悪魔(デーモン、デヴィル)・民俗的な災厄を擬人化した悪魔の三系統が習合した複合概念として展開した。「魔」の字は鬼と麻の合字で、仏教経典の漢訳の中で新造された字とされる。
仏教の文脈では、釈迦が悟りを開く際に妨害した天魔波旬(マーラ)が代表で、『大智度論』『仏本行集経』など仏典に詳しい。日本では『日本霊異記』『今昔物語集』に悪魔・魔縁の話が見え、平安期以降の往生伝にも臨終の悪魔追放譚が記される。中世以降は天狗・物の怪と並ぶ宗教的妨害者として、修験道・密教の文脈で論じられた。明治以降にキリスト教悪魔(サタン、デーモン、ルシファー)が翻訳語として「悪魔」に当てられ、近代日本語の悪魔概念は仏教と西洋の重層構造を持つ。
仏教悪魔は釈尊降魔成道譚として絵巻・仏画・能楽に多く取り上げられ、『摩多羅神』『十二天』など密教図像にも登場する。民俗的悪魔は節分の鬼やらいや厄祓い習俗と結びつき、鬼との境界が曖昧な存在として語られる。近代以降は文学・芸術での西洋悪魔受容が進み、日本独自の文化変容を遂げた稀有な宗教概念として論じられる。
日本霊異記
一次文献景戒
平安初期成立『日本霊異記』には悪魔・魔縁による妨害譚や仏徳による降魔譚が複数収録される。日本における仏教悪魔観の初期典拠。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536591悪魔 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
悪魔の概念史、仏教の魔(マーラ)に由来する語源、漢訳における造字、仏教悪魔とキリスト教悪魔の習合について整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%82%AA%E9%AD%94