
霊
生きた人間の肉体から遊離した霊魂を指す日本古来の霊的概念。『源氏物語』六条御息所譚をはじめ怨念・思慕に伴って肉体を離れ他者に災いをなすとされる。
生霊(いきりょう、いきすだま)は、生きている人間の肉体から遊離した霊魂、またはその霊が他者に取り憑く現象を指す日本古来の霊的概念。死後の霊魂である死霊と対をなす概念で、怨念・嫉妬・思慕などの強い情念によって生者の魂が体を離れ、相手のもとへ赴いて病や災いをもたらすとされる。江戸期医学では「離魂病」「影の病」として記録され、近代以降は心霊現象・ドッペルゲンガー譚との比較でも論じられる。
古典文学における代表例は『源氏物語』葵巻で、六条御息所の生霊が葵の上を呪い殺す場面であり、Wikipedia 日本語版では「六条御息所が生霊(いきすだま)となって…葵の上を呪い殺す」と紹介される。また『今昔物語集』『曽呂利物語』にも生霊譚が採録される。地域別呼称も多く、青森県の「アマビト」、秋田県の「飛びだまし」「オモカゲ」、岩手県の「オマク」、能登の「シニンボウ」などは、死期の近い人間の魂が肉体を離れ縁者を訪れる伝承として記録される。
平安期の物の怪信仰と密接に結びつき、『枕草子』『紫式部日記』『栄花物語』など宮廷文学に多くの事例が見える。中世以降は能の『葵上』『鉄輪』に取り上げられ、近世以降も上田秋成『雨月物語』の「吉備津の釜」などに発展的に継承された。柳田國男以降の民俗学では地方語彙の比較研究対象として整理され、日本古来の霊魂観の重要な要素として論じられる。
源氏物語 葵巻
一次文献紫式部
『源氏物語』葵巻に六条御息所の生霊が葵の上に取り憑く場面が描かれる。日本古典文学における生霊譚の最も知られた典拠。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000052/files/5016_9433.html生霊 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
生霊の概念、源氏物語六条御息所譚、地域別呼称(アマビト・飛びだまし・オマク・シニンボウなど)、江戸期離魂病について整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E9%9C%8A