
妖怪
尻目は京都府を主な手がかりとして整理する怪異。奇妙な身体表象で人を驚かす怪異の性格を持ち、対応する伝承と土地へつながる。
尻目(しりめ)は、人の姿をして夜道で背を向けて立ち、振り向くと顔には目鼻がなく、衣の裾を捲り上げて尻に大きな目玉を見せて人を驚かすという、奇怪な身体表象の怪異。京都の山道・古寺の境内に伝わる近世怪異で、滑稽味を帯びた図像で広く知られた。
代表的な筋は、夜の道で前から武士の姿の者が歩み寄り、声を掛けるとくるりと背を向け、着物の裾を捲って尻を見せると、そこに大きく見開いた目玉があり、見た者は腰を抜かす、というもの。京都市左京区の鞍馬街道、東山の古寺の参道などで語られた。怪異の本義は驚かすことのみで、害は無いとされる滑稽な妖怪として位置づけられる。
与謝蕪村(1716-1784 年)作と伝わる『蕪村妖怪絵巻』(北海道立美術館・個人蔵)に「尻目」が描かれ、京都に出る妖怪として記される。蕪村は俳人・画人として京に住み、怪異への関心からこの絵巻を残した。鳥山石燕の図像群には含まれないが、近世京都圏の妖怪文化を伝える資料として重要視される。近代以降は村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)と国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に整理されている。
目鼻のない顔の怪異として「のっぺらぼう」「ずんべら坊」と近縁し、近世女性・男性怪異群の中で互換的に語られる例がある。身体の異所に目を持つ怪異としては「百々目鬼(どどめき)」(腕に百の目)、「目目連(もくもくれん)」(障子に多数の目)と並置される。京都府の固有怪異として、鞍馬・東山周辺の郷土資料に類話が散見される。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
尻目に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/尻目 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
尻目の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BB%E7%9B%AE