
神別
中臣氏は、大和・常陸を拠点とした神別の氏族。天児屋根命を祖と伝え、宮廷祭祀と外交を担った古代神官系氏族。
中臣氏は、宮廷の祭祀と神祇官の中核を担った古代の神別氏族。「中臣」は神と人との「中(なかつとり)」を執り持つ職掌に由来するとされ、祝詞・祓を司る神祇職を世襲した。大化改新の中臣鎌足が藤原姓を賜って以降は、嫡流が藤原氏となり、中臣の名は祭祀職を担う傍流が継いだ。
『新撰姓氏録』左京神別上は、中臣朝臣を天児屋根命(あめのこやねのみこと)の後裔と記す。天児屋根命は『古事記』上巻 天岩戸段で、天照大神を岩戸から招き出すために祝詞を奏した神格として登場し、天孫降臨段では五伴緒の一柱として邇邇芸命に従って降る。中臣氏はこの祭祀神の系譜を継ぐ氏として、宮廷神祇職の正統性を根拠づけた。同祖の系譜には大中臣氏・藤原氏・卜部氏らが連なる。
中臣鎌足(614–669)は皇極朝に中大兄皇子と結んで蘇我入鹿を討ち、大化改新の中心人物となった。鎌足の臨終に際して藤原朝臣を賜姓されたため、嫡流は以後藤原氏として展開する。中臣金(?–672)は壬申の乱で大友皇子方に属して敗死。奈良時代以降の中臣氏は神祇官の伯・副を世襲し、平安期には大中臣氏として伊勢神宮の祭主職を継承した。
春日大社(奈良市春日野町)は中臣氏・藤原氏共通の氏神社で、天児屋根命を主祭神の一柱として祀る。鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)・香取神宮(千葉県香取市)は中臣氏の東国における祭祀拠点で、武甕槌命・経津主命を祀る両社は中臣氏の系譜と深く結びつく。伊勢神宮の祭主職は中世以降、大中臣氏の世襲となった。
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・中臣氏族条
一次文献藤原緒嗣 他(弘仁6年勅撰)
新撰姓氏録(弘仁6年)— 神別・中臣氏族条に基づく中臣氏の代表的な典拠整理。
https://dl.ndl.go.jp/pid/2543361Wikipedia「中臣氏」
二次資料Wikipedia「中臣氏」を参照した中臣氏の系譜・地域的受容の補助確認。
https://ja.wikipedia.org/wiki/中臣氏