
古事記
伊豆能売は、禊の場面に現れる神として、祓いと清めの流れをたどる手がかりになる神格。
伊豆能売(いずのめ)は、『古事記』禊段に記される祓神。神直毘神・大直毘神に続いて成る直毘神三柱の最後に位置し、清浄を司る女神格として理解される。「いず」は神聖・清浄、「のめ」は女神を意味する。
『古事記』上巻 禊段に「次に伊豆能売、次に底津綿津見神、次に底筒之男命」と記される。伊邪那岐命が黄泉国から帰還し、筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊を行った際、神直毘神・大直毘神に続いて成った神として位置づけられる。穢れを直す働きから清浄をもたらす働きへと移行する位置に立つ神格。
父は伊邪那岐命(禊による生成神格)。同時に成った神に神直毘神(かむなおびのかみ)・大直毘神(おおなおびのかみ)があり、直毘神三柱として一群を成す。続いて綿津見三神(底津・中津・上津綿津見神)と住吉三神(底・中・上筒之男命)が水底・水中・水面の三層で成る。穢れの八十禍津日神・大禍津日神と対をなす祓いの神統の最後に位置する。
特定の主祭神社は少ないが、白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ、石川県白山市、加賀国一宮)など白山信仰の系では伊豆能売を白山姫神と同体視する伝が中世以降に展開した。六月晦日・十二月晦日の大祓に唱えられる『大祓詞』に祓神として記憶され、清浄をもたらす神格として直毘神とともに奉斎される。
伊豆能売 いづのめ/いずのめ
一次文献國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」伊豆能売。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/izunome/古事記 上巻 禊祓段
一次文献太安万侶(撰)
伊豆能売の登場場面、系譜、神名の確認に用いる一次文献。
神道・神名辞典 伊豆能売項
二次資料伊豆能売の名称、祭祀上の性格、関連社寺を確認するための二次資料。