
古事記
弥都波能売神は、神生みに現れる水の神として、雨・川・水源の信仰文脈を支える神格。
弥都波能売神(みつはのめのかみ)は、『古事記』『日本書紀』に記される水の女神。灌漑用水・井泉を司り、農耕の水利を守護する神格として位置づけられる。火神産死段で和久産巣日神と相次いで成った穀霊系の女神。
『古事記』上巻 神生み段に「尿に成りませる神の名は、弥都波能売神、次に和久産巣日神」と記される。伊邪那美命が火神 迦具土神を生んで体を焼かれ死に瀕した際、その尿から成った神として誕生する。水と農耕の生成原理を象徴する神格として、神生み段末尾の重要な位置を占める。『日本書紀』神代上 第五段一書には罔象女神(みつはのめのかみ)の表記で対応する。
母は伊邪那美命(火神産死による生成神格)。同時に成った神に和久産巣日神(わくむすひのかみ、豊宇気毘売神の親神)、続いて金山毘古神・金山毘売神・波邇夜須毘古神・波邇夜須毘売神がある。水・金属・土を司る神々が火神産死段で連続して成る系譜の中で、水を担う中核神格として位置づけられる。
丹生川上神社(にうかわかみじんじゃ、奈良県吉野郡、上社・中社・下社の三社)を主たる鎮座社とし、雨乞いの神として古代から朝廷の崇敬を受けた。貴船神社(京都市左京区)にも祀られ、水神の総本社として全国の井戸・灌漑祭祀に勧請されてきた。農耕水利の根源神として、現代まで広く信仰される。
弥都波能売神 みつはのめのかみ
一次文献國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」弥都波能売神。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/mitsuhanomenokami/古事記 上巻 国生み神生み
一次文献太安万侶(撰)
弥都波能売神の登場場面、系譜、神名の確認に用いる一次文献。
神道・神名辞典 弥都波能売神項
二次資料弥都波能売神の名称、祭祀上の性格、関連社寺を確認するための二次資料。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。