
古事記
志那都比古神は、神生みに現れる風の神として、風と気象の信仰文脈を支える神格。
志那都比古神(しなつひこのかみ)は、『古事記』『日本書紀』に記される風の神。伊邪那岐神・伊邪那美神の神生み段で生まれた風神格で、農耕の風・気候を司る神として位置づけられる。
『古事記』上巻 神生み段に「次に風の神、名は志那都比古神を生みき」と記される。伊邪那岐神・伊邪那美神が大八洲国と諸神を生む段の中で、海・河・山・野の神々を生んだ後に成った神格として位置づけられる。『日本書紀』神代上 第五段一書には級長津彦命・級長戸辺命(しなとべのみこと)の表記で対応し、風の神統が示される。
父は伊邪那岐神、母は伊邪那美神。同時期に成った神に大山津見神(山の神)・鹿屋野比売神(かやのひめのかみ、野の神)があり、伊邪那美命が火神産死で身罷る直前までに生んだ風土の神々の系譜に連なる。『日本書紀』の対偶神 級長戸辺命とは一対の風神として理解される。
龍田大社(たつたたいしゃ、奈良県生駒郡三郷町、大和国一宮論社)を主たる鎮座社とし、天武天皇 4 年(675 年)に風の神として朝廷から祭祀された記録が『日本書紀』に見える。風鎮め・凶作除けの神として古代から重視され、伊勢神宮内宮別宮 風日祈宮(かざひのみのみや)、外宮別宮 風宮にも風の神として祀られる。
志那都比古神 しなつひこのかみ
一次文献國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」志那都比古神。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/shinatsuhikonokami/古事記 上巻 国生み神生み
一次文献太安万侶(撰)
志那都比古神の登場場面、系譜、神名の確認に用いる一次文献。
神道・神名辞典 志那都比古神項
二次資料志那都比古神の名称、祭祀上の性格、関連社寺を確認するための二次資料。