
伝承
阿蘇健磐龍命伝承は、熊本県阿蘇市を入口にたどる伝承。熊本県阿蘇市を代表地点として、神格・氏族の系譜の文脈で語り継がれる物語を整理する
阿蘇健磐龍命伝承は、阿蘇山と阿蘇カルデラの開拓神とされる健磐龍命(たけいわたつのみこと)をめぐる開拓神話である。健磐龍命は神武天皇の孫にあたるとされ、阿蘇外輪山の一角・立野(たての)に立ち、湖水であった阿蘇カルデラを蹴破って水を海へ流し、平野を出現させたと伝えられる。残された平野には田畑が開かれ、命は阿蘇国造(あそのくにのみやつこ)の祖となった。命は妃・阿蘇都比咩命(あそつひめのみこと)と御子・速瓶玉命(はやみかたまのみこと)とともに阿蘇神社に祀られ、阿蘇十二神として現在に至るまで信仰の中心を成す。
物語の中核場面は三つで構成される——(一)外輪山・立野での蹴破り、(二)水の落下と平野の出現、(三)開拓と祭祀の成立。中世以降の阿蘇大宮司家・阿蘇氏(あそし)の祖神譚として整備され、九州中央部の古代開拓伝承の代表例となった。火の山の麓における稲作起源説話としても位置づけられる。
中心比定地は熊本県阿蘇市一の宮町宮地の阿蘇神社(あそじんじゃ、肥後国一宮)。健磐龍命の蹴破り伝承地は阿蘇市・南阿蘇村境の立野渓谷で、現在も「数鹿流ヶ滝(すがるがたき)」等の景観に伝承が結びつく。国造神社(こくぞうじんじゃ、阿蘇市一の宮町手野)は御子・速瓶玉命を祀り、両社で阿蘇開拓神話圏を成す。
『先代旧事本紀』「国造本紀」阿蘇国造条が祖神譚の文献的基礎で、『阿蘇家略系譜』、中世縁起『阿蘇社縁起』が伝承を整える。記紀本文には登場しないが、『日本三代実録』『延喜式』神名帳に阿蘇神社の位置づけが記される。阿蘇神社社伝、阿蘇市・熊本県の文化財解説資料、宮崎康平らの郷土史研究を二次整理として参照する。
古事記・日本書紀関連資料 阿蘇健磐龍命伝承
一次文献古事記・日本書紀関連資料 阿蘇健磐龍命伝承に基づく阿蘇健磐龍命伝承の代表的な典拠整理。
古事記・日本書紀
二次資料古事記・日本書紀などを参照した阿蘇健磐龍命伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
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名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。