
伝承
月山大物忌神伝承は、山形県庄内町を入口にたどる伝承。山形県庄内町を代表地点として、山岳信仰の文脈で語り継がれる物語を整理する
月山大物忌神伝承は、出羽三山(でわさんざん)の主峰・月山(がっさん)に鎮まる月読命(つくよみのみこと)と、隣接する鳥海山(ちょうかいさん)の大物忌神(おおものいみのかみ)とが複合的に祀られる山岳信仰譚である。月山は記紀の月読命を祭神とする山岳霊場で、八合目以上に月山神社本宮が鎮座し、湯殿山(ゆどのさん)・羽黒山(はぐろさん)とともに出羽三山修験の中核を成す。修験道においては死者の魂が向かう「月の山」、すなわち他界として位置づけられ、過去・現在・未来を三山に配する「三関三度(さんかんさんど)」の行が中世以来行われてきた。
物語は三段で構成される——(一)月読命の山岳鎮座と国家祭祀への参入、(二)出羽三山修験道の整備と他界観の確立、(三)羽黒・湯殿との三山一体祭祀の成立。月山は死後の世界、湯殿山は再生、羽黒山は現世を象徴し、三山を巡る峰入修行が修験道の中心儀礼となった。鳥海山大物忌神との習合関係は出羽国の山岳神格の重層性を示す。
中心比定地は山形県東田川郡庄内町・西川町・鶴岡市にまたがる月山(標高 1,984m)と、山頂の月山神社本宮(出羽国一宮)。山麓の出羽三山神社(鶴岡市羽黒町手向)が三山の里宮を兼ね、湯殿山神社(鶴岡市田麦俣)、羽黒山三神合祭殿と一体で出羽三山修験の体系を成す。隣接する鳥海山大物忌神社(遊佐町)とも歴史的に深く接続する。
『延喜式』神名帳「出羽国 田川郡 月山神社 名神大」に古代社格を示す。『日本三代実録』『日本文徳天皇実録』に神階進階の記事が残る。中世修験道書『月山旧記』『出羽三山縁起』、近世地誌『出羽国風土略記』(明和四年・1767 年)、芭蕉『奥の細道』の月山参詣段が伝承の継承を伝える。月山神社・出羽三山神社の社伝も基礎参照とされる。
寺社縁起・社寺由緒資料 月山大物忌神伝承
一次文献寺社縁起・社寺由緒資料 月山大物忌神伝承に基づく月山大物忌神伝承の代表的な典拠整理。
日本伝説大系
二次資料日本伝説大系などを参照した月山大物忌神伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
読了した由緒を起点に、あなた自身の繋がりをひらきます。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。