
伝承
金刀比羅天狗伝承は、香川県琴平町を入口にたどる伝承。香川県琴平町を代表地点として、寺社縁起・地名由来の文脈で語り継がれる物語を整理する
金刀比羅天狗伝承は、讃岐国・象頭山(ぞうずさん)金刀比羅宮(ことひらぐう)に棲むとされる大天狗・金毘羅坊(こんぴらぼう)をめぐる修験道譚である。金毘羅坊は日本八大天狗の一人に数えられ、金刀比羅宮の山主・守護者として位置づけられる。金刀比羅宮の主祭神・大物主神(おおものぬしのかみ)は記紀の三輪山神格で、海上交通・農業・医薬の神として広く信仰された。中世以降、修験道の文脈で金毘羅大権現(インドの神クンビーラに由来する金毘羅信仰の習合神)として位置づけられ、瀬戸内海上の信仰圏の中心を成した。
物語の中核場面は三つで構成される——(一)象頭山の修験道場としての成立と金毘羅坊の山主化、(二)瀬戸内海航海守護神としての金毘羅信仰の確立、(三)江戸期「こんぴら参り」の隆盛と天狗譚の流布。金毘羅参詣は伊勢参り・善光寺参りと並ぶ近世三大参詣の一つで、四国・瀬戸内・中国・近畿に金毘羅信仰圏を広げた。天狗譚は参詣道中の山中怪異・修験者譚と結びついて伝承された。
中心比定地は香川県仲多度郡琴平町の金刀比羅宮(旧・金毘羅大権現)。象頭山(標高 524m)の中腹に鎮座し、本宮までの 785 段の石段で知られる。山中の松尾寺、奥社(厳魂神社)一帯が修験道の往時を伝える。瀬戸内海航海の信仰圏として、広島県厳島神社、徳島県・愛媛県の海岸部とも文化的に接続する。
中世以降の『金毘羅大権現縁起』、近世地誌『讃岐国名勝図会』(嘉永七年・1854 年成立)、十返舎一九『金草鞋』(文化七年・1810 年〜文政五年・1822 年)等の道中記が金毘羅信仰の流布を伝える。知切光歳『天狗考』、井上円了『天狗論』が天狗譚の系統論を担う。金刀比羅宮社伝、香川県・琴平町の文化財解説資料も基礎参照とされる。
寺社縁起・社寺由緒資料 金刀比羅天狗伝承
一次文献寺社縁起・社寺由緒資料 金刀比羅天狗伝承に基づく金刀比羅天狗伝承の代表的な典拠整理。
日本伝説大系
二次資料日本伝説大系などを参照した金刀比羅天狗伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
読了した由緒を起点に、あなた自身の繋がりをひらきます。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。