
伝承
能登あばれ祭伝承は、石川県能登町を入口にたどる伝承。石川県能登町を代表地点として、芸能・祭礼の文脈で語り継がれる物語を整理する
能登(のと)あばれ祭伝承は、石川県鳳珠郡能登町宇出津(うしつ)の八坂神社・酒垂神社(さかたるじんじゃ)で毎年七月第一金・土曜日に行われる夏祭「あばれ祭」の起源を語る祭礼縁起伝承である。江戸時代寛文期、宇出津に疫病が流行した際、京都の祇園社(現八坂神社)から牛頭天王(ごずてんのう、素戔嗚尊)の神霊を勧請し、その祭礼として始めたのが起源と伝えられる。祭の最大の見所は、神輿(みこし)を地面・川・火・海に容赦なく叩きつける激しい「神輿あばれ」で、神霊が荒ぶれば荒ぶるほど悪疫を払う、という荒御霊(あらみたま)信仰を体現する。能登半島先端の漁村が、夏季の疫病・海難・凶漁を祓うために発展させた、日本最激の神輿祭の一つとして知られる。
祭礼の核は三段で構成される——(一)京都祇園社からの牛頭天王勧請と疫病鎮静の起源縁起、(二)神輿の地面・川・火・海への叩きつけ(神輿あばれ)と荒御霊の発動、(三)大松明(おおたいまつ、十数基の巨大松明)の点火と火の禊。素戔嗚尊との関係を持つ祇園信仰の能登展開として、博多祇園山笠・長崎くんちと並ぶ祇園系祭礼の北陸代表である。能登半島の漁村文化と祇園信仰の習合事例。
比定地は石川県鳳珠郡能登町宇出津の八坂神社・酒垂神社、および宇出津港・梶川・町中。能登半島先端の旧鳳至郡(ふげしぐん)の漁師町で、海と川と山が密接に交差する地形が、神輿の四元素禊(地・水・火・海)の祭儀的空間を成す。能登町教育委員会・あばれ祭実行委員会が祭礼資料を保存・公開する。
八坂神社・酒垂神社社伝、能登町の町方文書、江戸期の地誌『能登国名跡志』。石川県教育委員会編『石川県史 民俗編』、能登町史、能登民俗誌、国・県指定無形民俗文化財関連資料に詳しい。
祭礼・民俗芸能資料 能登あばれ祭伝承
一次文献祭礼・民俗芸能資料 能登あばれ祭伝承に基づく能登あばれ祭伝承の代表的な典拠整理。
日本民俗大系
二次資料日本民俗大系などを参照した能登あばれ祭伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
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