
伝承
諏訪洩矢神伝承は、長野県諏訪市を入口にたどる伝承。長野県諏訪市を代表地点として、神格・氏族の系譜の文脈で語り継がれる物語を整理する
諏訪洩矢神(すわのもりやのかみ)伝承は、長野県諏訪地方の先住神・洩矢神と、出雲から逃れてきた建御名方神(たけみなかたのかみ)との諏訪入りの戦いを伝える土着伝承である。『古事記』上巻 国譲り段で建御雷神(たけみかづちのかみ)に敗れて諏訪まで逃れた建御名方神に対し、諏訪の地を治めていた洩矢神は鉄輪(てつわ・かなわ)を持って迎え撃つ。建御名方神は藤の蔓(つる)で対し、戦いの末に洩矢神は敗れて服属する。以後、建御名方神を諏訪大明神として上社に祀り、洩矢神の子孫・守矢氏(もりやし)が神長官(じんちょうかん)として代々祭祀を司る形が定着した。
伝承は三段で構成される——(一)建御名方神の諏訪入りと洩矢神の迎撃、(二)武器の対比(鉄輪と藤蔓)と勝敗、(三)守矢氏による祭祀継承と上社・下社の祭政体系。記紀外の土着伝承を社家伝承として保存した稀有な事例で、出雲系の侵入神話と先住神祭祀の融合構造を伝える。守矢家文書は中世まで遡る一次史料として残る。
比定地は長野県諏訪市・茅野市の諏訪大社上社(本宮・前宮)。前宮は守矢氏の祭祀拠点で、神長官守矢史料館(茅野市)が関連史料を保存・公開する。下社(下諏訪町)と合わせて諏訪大社の二社四宮を成し、信濃国一宮として延喜式神名帳「信濃国諏訪郡 南方刀美神社二座」名神大社に登載される。
『古事記』上巻 国譲り段。『諏方大明神画詞(すわだいみょうじんえことば)』(延文元年・1356 年、諏訪円忠著)、『神長官守矢家文書』、諏訪大社社伝。延喜式神名帳に式内社として登載。
古事記・日本書紀関連資料 諏訪洩矢神伝承
一次文献古事記・日本書紀関連資料 諏訪洩矢神伝承に基づく諏訪洩矢神伝承の代表的な典拠整理。
古事記・日本書紀
二次資料古事記・日本書紀などを参照した諏訪洩矢神伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
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名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。