
伝承
木更津七夕伝承は、千葉県木更津市を入口にたどる伝承。千葉県木更津市を代表地点として、昔話・説話の文脈で語り継がれる物語を整理する
木更津(きさらづ)七夕伝承は、千葉県木更津市に伝わる、日本武尊(やまとたけるのみこと)と弟橘媛(おとたちばなひめ)の東征伝説の地に重なる、月遅れ七夕祭の地方伝承である。『古事記』中巻・日本武尊段によれば、東征に赴いた日本武尊が走水(はしりみず、現横須賀市走水)の海を渡る際、暴風雨を鎮めるために妻・弟橘媛が海に身を投げて荒波を静め、媛の櫛が対岸(現在の千葉県内房)の浜に流れ着いたという。日本武尊は媛を悼んで「君さらず(きみさらず)」と嘆き、それが地名「木更津」の由来になったと伝えられる。木更津七夕はこの古代伝説を背景に、夏の盂蘭盆(うらぼん)と七夕の節供を結合した町祭礼として、内房の港町・木更津で江戸期以来継承された。
物語は三段で構成される——(一)日本武尊の東征と走水の海での暴風雨遭遇、(二)弟橘媛の入水による海神鎮静と日本武尊の追慕・地名化(君さらず→木更津)、(三)江戸期以降の七夕祭儀礼との習合と町祭化。日本武尊との関係、弟橘媛との関係を持つ古代東征伝説の地名伝承化として、走水神社(横須賀市)・吾妻神社(千葉県南房総市)と並ぶ内房・外房の日本武尊伝承群の一翼を成す。
比定地は千葉県木更津市の中央通り・富士見通り・木更津港周辺。市内に日本武尊伝説の伝承地(八剱八幡神社など)が点在し、七夕祭は中心商店街で月遅れの八月初頭に開催される。江戸期、木更津は江戸湾の港町として隆盛し、町人文化の中で七夕祭礼が独自の発展を遂げた。
『古事記』中巻 日本武尊段、『日本書紀』景行紀。江戸期地誌『上総国誌』『木更津町誌』、千葉県教育委員会編『千葉県史 民俗編』、木更津市史、内房民俗誌、八剱八幡神社社伝に詳しい。
日本昔話資料 木更津七夕伝承
一次文献日本昔話資料 木更津七夕伝承に基づく木更津七夕伝承の代表的な典拠整理。
日本昔話大成
二次資料日本昔話大成などを参照した木更津七夕伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
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