
伝承
宇佐八幡託宣伝承は、大分県宇佐市を入口にたどる伝承。大分県宇佐市を代表地点として、寺社縁起・地名由来の文脈で語り継がれる物語を整理する
宇佐八幡託宣(うさはちまんたくせん)伝承は、大分県宇佐市の宇佐神宮(うさじんぐう)に鎮座する八幡神(やはたのかみ・はちまんしん)が、奈良時代から平安時代にかけて朝廷に下した一連の神託をめぐる伝承群である。最も著名なのは神護景雲三年(769 年)の道鏡(どうきょう)皇位継承事件で、僧・道鏡を皇位に就けるべしとの託宣を訝った称徳天皇が和気清麻呂(わけのきよまろ)を宇佐へ遣わし、清麻呂が「我が国家は開闢より君臣定まれり、無道の人はよろしく早く掃除すべし」との託宣を持ち帰り、皇位簒奪が阻まれた、という事件である。八幡神は応神天皇(おうじんてんのう)の神霊とされ、後に源氏の氏神として全国に勧請される。
伝承は三段で構成される——(一)八幡神の宇佐鎮座と応神天皇神霊への同定、(二)道鏡事件と清麻呂の託宣請負、(三)源頼義・義家以来の武家八幡信仰への拡張。神託(オラクル)を介して国家の正統性を確保する祭政体系の典型例で、伊勢神宮と並ぶ朝廷祭祀の二大軸を成す。応神天皇陵(誉田御廟山古墳、大阪府羽曳野市)との祭祀的接続も伝承の根幹を成す。
比定地は大分県宇佐市南宇佐の宇佐神宮。延喜式神名帳に「豊前国宇佐郡 八幡大菩薩宇佐宮」と登載される全国八幡宮の総本宮。八幡造の本殿三棟は国宝。鎌倉の鶴岡八幡宮、京都の石清水八幡宮と並ぶ三大八幡宮の筆頭。
『続日本紀』神護景雲三年(769 年)九月条、『八幡宇佐宮御託宣集』(1313 年、神吽編、宇佐宮神官撰)、『扶桑略記』。宇佐神宮社伝、延喜式神名帳。和気清麻呂事績は『古事記伝』本居宣長以来の国学的注釈でも繰り返し論じられる。
寺社縁起・社寺由緒資料 宇佐八幡託宣伝承
一次文献寺社縁起・社寺由緒資料 宇佐八幡託宣伝承に基づく宇佐八幡託宣伝承の代表的な典拠整理。
日本伝説大系
二次資料日本伝説大系などを参照した宇佐八幡託宣伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
読了した由緒を起点に、あなた自身の繋がりをひらきます。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。