
伝承
二戸座敷童子伝承は、岩手県二戸市を入口にたどる伝承。岩手県二戸市を代表地点として、怪異・変化の文脈で語り継がれる物語を整理する
二戸(にのへ)座敷童子伝承は、岩手県二戸市の旧家・金田一温泉緑風荘(きんだいちおんせんりょくふうそう)を中心に伝わる、座敷童子(ざしきわらし)の住まうとされる家筋の伝承である。座敷童子は五、六歳ほどの童子姿で、夜中に座敷を走り回る足音、誰もいない部屋からの笑い声、枕返しなどの形で気配を示し、座敷童子が居る家は栄え、去った家は没落すると伝えられる。緑風荘の「槐(えんじゅ)の間」には「亀麿(かめまろ)君」と名付けられた座敷童子が住むとされ、宿泊者の前に現れた者は出世する、という言い伝えが昭和以降全国に知られる。
物語は三段で構成される——(一)旧家・蔵元の家筋に座敷童子が住み着く由緒、(二)足音・笑い声・枕返しなどによる気配の顕現、(三)座敷童子の去った家の没落譚。家筋の盛衰を童子の在不在に重ねる構造は、東北の家神(いえがみ)信仰・氏神信仰の私的版として読まれる。岩手県遠野市の遠野カッパ淵伝承群、二戸の鬼の伝承群と並ぶ北東北民俗の柱を成す。
中心となる伝承圏は岩手県二戸市の金田一温泉郷と、遠野市・盛岡市・花巻市など県内全域。緑風荘は座敷童子が住まう旅館として全国に知られたが、2009 年に火災で焼失、2016 年に再建された。
柳田國男『遠野物語』(明治四十三年・1910 年)第 17・18 話に「ザシキワラシ」の記述。佐々木喜善『奥州のザシキワラシの話』(大正九年・1920 年)が体系的整理。岩手県教育委員会編『岩手県史 民俗編』、二戸市史民俗編、緑風荘の縁起伝承にも詳しい。
怪談・怪異伝承資料 二戸座敷童子伝承
一次文献怪談・怪異伝承資料 二戸座敷童子伝承に基づく二戸座敷童子伝承の代表的な典拠整理。
日本怪異妖怪事典
二次資料日本怪異妖怪事典などを参照した二戸座敷童子伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
読了した由緒を起点に、あなた自身の繋がりをひらきます。