殺生石の写真

怪異伝承地

殺生石

公開検証済みせっしょうせき

栃木県那須町の史跡。玉藻前が石になったという伝承で知られる。

概要

殺生石(せっしょうせき)は、栃木県那須郡那須町湯本に位置する火山岩の聖跡。鳥羽上皇に寵愛された玉藻前(たまものまえ)の正体である九尾の狐の伝承地として知られる霊場で、国の名勝に指定される。

鎮座地

所在は栃木県那須郡那須町湯本 182 付近、那須温泉神社の南東に広がる賽の河原と呼ばれる火山活動の名残の地。標高約 800m、那須岳の南東麓に位置し、噴気孔から二酸化硫黄・硫化水素を噴出する火山ガス地帯で、近寄った鳥獣を死に至らしめたことから「殺生石」と呼ばれた。地名「那須」は『万葉集』にも見える古地名。

祀られる神格

本来は神格を祀る社殿ではないが、伝承上の主体は玉藻前(白面金毛九尾の狐、はくめんこんもうきゅうびのきつね)。源翁心昭(げんのうしんしょう)禅師による調伏譚に登場し、那須温泉神社の祭神である大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)と一連の那須山岳信仰の中で語られる。隣接の那須温泉神社(『延喜式神名帳』に記載なき古社)と一体の霊場として崇敬されてきた。

沿革

鎌倉時代成立の『神明鏡』や室町期の謡曲『殺生石』が初期の伝承を伝える。康暦二年(1380 年)頃、曹洞宗の源翁心昭が殺生石を割り、霊を鎮めたとされる。江戸期には松尾芭蕉が『おくのほそ道』(元禄二年・1689 年)で訪れ、火山ガスの「石毒」を記録した。昭和三十二年(1957 年)に国の名勝に指定。令和四年(2022 年)3 月に自然崩落で二つに割れ、現在は安全柵越しに公開される。

主要祭礼

毎年 5 月下旬の那須温泉神社例大祭にあわせ、湯本地区で行われる「殺生石御神火祭」は、調伏伝承を継承する火祭として広く知られる。

出典

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