
妖狐
玉藻前は、九尾狐の化身として語られる怪異。玉藻前物語、殺生石、那須の土地を分けて辿れる。
玉藻前(たまものまえ)は、平安末期の鳥羽上皇に仕えたとされる絶世の美女。実体は金毛九尾の狐の化身で、上皇を魅了して国を傾けようとしたが、陰陽師 安倍泰成(または安倍泰親)に正体を見破られ、下野国那須野(現・栃木県那須町)に逃亡。三浦介義明・上総介広常らに討たれて殺生石(せっしょうせき)と化した、と語られる。
御伽草子『玉藻前物語』、能「殺生石」(金春禅竹作、室町期)、近世の浄瑠璃『玉藻前曦袂』(1751 年)、歌舞伎、浮世絵で広く展開した。インド(華陽夫人)、中国(褒姒、妲己)、日本(玉藻前)と三国に転生して国を傾けたとする三国伝来譚が中世末から近世に流布し、九尾狐は東アジアの妖狐譚の頂点に位置づけられる。
『神明鏡』(南北朝期)、『下学集』(室町期)、御伽草子『玉藻の草子』、御伽草子『玉藻前』、能「殺生石」、近世の絵入本『絵本三国妖婦伝』(高井蘭山、1804 年)など多数の文献に登場する。栃木県那須町には殺生石が現存し、2022 年に二つに割れたことで近年再注目された。会津高田の慧日寺、源翁心昭による石割り伝承も結びつく。
殺生石を打ち砕いた僧として、玄翁禅師(源翁心昭、曹洞宗)の伝承が広く知られ、「玄翁(げんのう)」という槌の名の語源とされる。玉藻前以前の妖狐譚として、平安期『今昔物語集』『打聞集』所収の狐妻譚があり、近縁の化け狐に葛の葉狐、信田の森の狐がある。
玉藻前物語
一次文献作者未詳
九尾狐・玉藻前・殺生石の筋を伝える古典資料。
https://dl.ndl.go.jp/玉藻前物語
一次文献玉藻前物語を、tamamo-no-mae の detail source-readiness pass の一次資料として参照。
https://dl.ndl.go.jp/玉藻前 - Wikipedia 日本語版
Wikipedia contributors
玉藻前伝承に関する二次整理。
日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
日本妖怪大事典を、名称・地域差・類縁語を確認する二次資料として参照。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。