
妖怪
垢嘗は大阪府を主な手がかりとして整理する怪異。風呂場の垢をなめると語られる怪異の性格を持ち、対応する伝承と土地へつながる。
垢嘗(あかなめ)は、人気のない古い風呂屋や湯殿に現れ、長い舌で浴槽や床にこびりついた垢を嘗めるとされる怪異。背は子どもほど、痩せた裸身に長い髪と長い赤舌を持ち、足の指が極端に長い姿で図示される。鳥山石燕に由来する江戸期の図像妖怪の代表格の一つ。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』陰の巻(安永五年、1776 年)に「垢嘗」として図示され、夜中の古湯殿で長い舌を出して垢を舐める痩せた子どもの姿が描かれる。賛文には、年経て掃除を怠った湯殿に現れる者という由来が示される。後代の解釈では、不衛生な湯殿への戒めとして家庭の場の清浄を促す家屋怪異という位置づけが広く採られる。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』(1776 年)が文献初出として広く知られる。先行する佐脇嵩之『百怪図巻』(享保 1737 年頃)にも近接する図像が見える。近代以降は村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)等の事典類に整理され、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」にも採録される。
湯殿・風呂場の家屋怪異として「天井嘗(てんじょうなめ)」「塵塚怪王」と図像系譜を共有する。長い舌で物を嘗める怪異群では「べとべとさん」「家鳴り」などと並置されることがあり、いずれも家屋内の見えない徴を妖怪化した存在として整理される。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
垢嘗に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/垢嘗 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
垢嘗の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9E%A2%E5%98%97