
妖怪
小豆洗いは山梨県を主な手がかりとして整理する怪異。水辺で小豆を洗う音として語られる怪異の性格を持ち、対応する伝承と土地へつながる。
小豆洗い(あずきあらい)は、川・沢・橋のたもとで「小豆とぎ、ザクザク」と小豆を研ぐ音を立てる怪異。姿は見せないことが多く、音のみで存在を示す「音の怪異」の代表格。山梨・甲信越から中国・九州まで広く分布し、地域により小僧姿・坊主姿・老婆姿で描写される異伝もある。
夕暮れから夜更けの川辺・橋下で、足を止めると「人を取って食おうか、小豆とごうか」と歌うように囀る声を聴くという筋が典型である。新潟・群馬の山間集落、長野県南信、福井県若狭、岡山県備中、宮城県北部などに事例が多い。音の方へ近づくと姿はなく、川面や石の上に小豆だけが残るといった結末を取ることもある。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』(1776 年)に「小豆洗」が図像化され、『絵本百物語』にも収録される。柳田國男『遠野物語拾遺』、佐々木喜善の岩手・宮城採録、宮田登『妖怪の民俗学』など民俗学的研究で類話が比較される。国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」には全国の異称が体系的に整理されている。
新潟・佐渡では「小豆研ぎ婆」、長野では「小豆とぎ小僧」、宮城・福島では「小豆はかり」、徳島では「米洗い婆」と呼ばれる近縁譚がある。音の怪異の系譜には、足音だけの「べとべとさん」、笑い声の「笑い茸」など類縁が並ぶ。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
小豆洗いに関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/小豆洗い - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
小豆洗いの概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E8%B1%86%E6%B4%97%E3%81%84