
妖怪
化け鯨は島根県を主な手がかりとして整理する怪異。海上に現れる鯨の骨の怪異の性格を持ち、対応する伝承と土地へつながる。
化け鯨(ばけくじら)は、夜の海上に骨だけの巨大な鯨の姿で現れる怪異。肉が無く骨格だけで泳ぎ、無数の魚や鳥を従えて海を渡ると語られる。島根県・出雲国の漁村に伝わる海の怪異で、現れた村では疫病・凶漁・天候不順が起こると忌み恐れられた。
代表的な筋は、夜の海面に骨だけの鯨が現れ、舟が近づくと忽然と消える、または奇怪な魚・鳥の群れを引き連れて村の沖を通る、というもの。出雲国(島根県松江市・出雲市・大田市の沿岸)の漁村で語られ、これを目撃した村では翌年から不漁・疫病が続いたという凶兆譚として伝わる。鯨は本来海神の使い・恵みの象徴であるが、その骨格だけが残る化け鯨は神聖と怪異の境界を示す存在として位置づけられる。
桃山人著・竹原春泉斎画『絵本百物語(桃山人夜話)』(天保十二年、1841 年)に「ばけくじら」として収録され、骨だけの鯨の姿と凶兆譚が記される。これが文献記録としては最も整った形。近代以降は村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)等の事典類に整理され、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」にも採録される。
海の凶兆怪異として「船幽霊」「磯撫で」と並置される。鯨と神聖の主題では、長門・周防・紀伊などの捕鯨地に伝わる「鯨塚」「鯨供養塔」と対をなし、化け鯨は供養されなかった鯨の念の集合として解釈される地域がある。島根県出雲市・松江市の沿岸郷土資料に類話が散見される。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
化け鯨に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/化け鯨 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
化け鯨の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E3%81%91%E9%AF%A8