
狸
茂林寺釜は群馬県を主な手がかりとして整理する怪異。茶釜に化けた狸として語られる怪異として語られ、対応する伝承と地図上の土地へつながる。
茂林寺釜(もりんじのかま)は、群馬県館林市の曹洞宗茂林寺に伝わる、狸の化身が宿るとされる茶釜。「分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)」の名でも知られ、寺伝では文福という僧(守鶴和尚)が用いた茶釜が湯を汲んでも尽きないという奇瑞を示し、後にその正体が狸(あるいは貉)であったと伝えられる。
代表的な伝承では、室町期に茂林寺の住職として仕えた守鶴和尚が、千人法会の際に汲めども尽きぬ茶釜を出して人々を驚かせ、寺の宝物となった。守鶴の正体は狸(一説に大狸)であり、寿命が尽きるとき自ら正体を明かして去ったとされる。江戸期から近代にかけては御伽草子・読本・巌谷小波再話により、綱渡りや踊りを見せる愛玩的な狸として童話化された。
茂林寺の寺伝(『茂林寺記』など寺蔵文書)が原資料となり、御伽草子の「分福茶釜」、江戸期の地誌、巌谷小波『日本昔噺』(明治二十七年、1894 年)の再話、村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)が継承する。国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースにも独立項で整理される。
童話版では、貧しい男が分福茶釜を売り買いされる狸の物語として広く流布したが、茂林寺の寺伝では守鶴和尚の奇瑞譚として伝わる点が固有である。佐渡の団三郎狸など、地域の有名狸譚と並列される。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
茂林寺釜に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005年)など、各地の妖怪名と伝承を整理する二次資料。
分福茶釜 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
群馬県館林市茂林寺に伝わる狸の化身が宿る茶釜「分福茶釜(茂林寺釜)」に関する二次整理。寺伝、御伽草子、巌谷小波再話を含む。