
怪異
橋や水辺の境界に現れる女神・怪異。宇治橋の橋姫伝承で知られる。
橋姫(はしひめ)は、橋を守るとされる女神/女性の怪異の両面を併せ持つ存在。古くは橋を守護する境界神として信仰されたが、中世以降は嫉妬から鬼女化した「宇治の橋姫」の伝承が広く知られる。山城国宇治川(現・京都府宇治市)の宇治橋にまつわる伝承が代表。
『平家物語』剣巻に伝わる「宇治の橋姫」の物語では、嵯峨天皇の御代、嫉妬に苦しむ公卿の娘が貴船神社(京都市左京区)に七日参籠して鬼となることを願い、宇治川に二十一日浸かって生きながら鬼女となり、髪を五つに分けて角に結い、夜の都を徘徊して人を取り殺したと語られる。この鬼女を源頼光の四天王 渡辺綱が一条戻橋(または羅生門)で討つ件と結びつけて伝える本もある。
古層では『万葉集』巻九「橋姫の片敷く袖か」の歌に橋を守る女神像が見え、『古今和歌集』巻十四にも詠まれる。中世の鬼女像は『平家物語』剣巻、謡曲『鉄輪(かなわ)』(嫉妬の女が鬼となる演目)、能楽『橋姫』に整理された。鳥山石燕『今昔画図続百鬼』(1779 年)には角を生やし松明をくわえた図像が載る。国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に事例が集成されている。
京都府宇治市の橋姫神社は宇治橋西詰に鎮座し、橋姫を瀬織津姫と同体に祀る。橋を守る境界神としての橋姫は、近江の勢多橋、河内の長柄橋など各地の橋姫信仰と対応する。鬼女化した橋姫は『源氏物語』宇治十帖の橋姫の名の連想とも結び、近世の浄瑠璃・歌舞伎で「鉄輪」「鉄輪井戸」題材として繰り返し劇化された。
平家物語 剣巻
一次文献作者未詳
橋姫伝承を含む平家物語系資料。
https://dl.ndl.go.jp/橋姫 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
橋姫伝承に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%8B%E5%A7%AB