
憑き物
犬神は、高知県を主な手がかりとして整理する憑き物の怪異。日文研 DB と妖怪事典を参照し、家筋、土地、伝承の層を分けて辿れる。
犬神(いぬがみ)は、四国・中国地方・九州を中心に伝わる憑き物の一種。犬の霊が特定の家系(犬神筋)に憑き、その家が他人へ犬神を憑かせて病や災いを起こすと語られる。憑かれた者は腹痛・発熱・狂躁を起こすとされ、近世から近代の村落社会で家筋差別の根拠ともなった。
食物への執着、嫉妬、口論などをきっかけに犬神筋の家から相手へ「飛ぶ」とされ、憑かれた者は奇行・絶食・激痛などを訴える典型を取る。高知県・徳島県山間部、愛媛県南予、大分県・大隅半島などに濃密な伝承分布があり、加持祈祷の山伏や巫女が落としを行った。土佐藩・佐伯藩の藩政文書には犬神筋に関する取り扱いの記録が残る。
『日本書紀』皇極天皇紀(642 年)に「狗(いぬ)」を用いた呪詛の記事があり、平安期の『今昔物語集』巻二十・第七話「陰陽師の狗神を遣はす語」にも類話がみえる。柳田國男『山島民譚集』(1914 年)が犬神・憑き物筋の民俗学的整理を行い、速水保孝『憑きもの持ち迷信』が近代の差別問題として体系化した。
近縁の憑き物として、山陰の「狐持ち」、長野・新潟の「管狐(くだぎつね)」、四国山間の「猿神(さるがみ)」、九州の「外道(げどう)」がある。犬神の小型化したものが管狐に近い形で語られる地域もある。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
犬神に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベースを、inugami の detail source-readiness pass の一次資料として参照。
犬神 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
犬神の概要に関する二次整理。
日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
日本妖怪大事典を、名称・地域差・類縁語を確認する二次資料として参照。