
妖怪
キジムナーは沖縄県を主な手がかりとして整理する怪異。ガジュマルと結びつく沖縄の精霊的存在の性格を持ち、対応する伝承と土地へつながる。
キジムナーは、沖縄県のガジュマル(榕樹)の古木に宿るとされる赤毛・赤い顔の子どものような姿の精霊。木の精にして海の漁の知恵を授ける善霊・悪戯霊の両面を併せ持ち、人と親しくなれば豊漁をもたらし、怒らせれば災いをなすと語られる。琉球文化圏(沖縄本島・周辺離島)特有の超自然存在。
代表的な筋は、夜の浜・海辺・ガジュマルの根元で赤い影と出会い、親しくなれば一緒に魚を獲ってくれる、というもの。キジムナーは魚の左目だけを食べるという独特の習性があり、左目だけ抉られた魚が浜に打ち上げられるのはキジムナーの仕業と説明された。木を切る、屁を放つ、タコを見せるなどの「怒らせる行為」をすると人に取り憑き災難を呼ぶとされる。沖縄本島の北部山原(やんばる)、宮古島・八重山諸島に類話が広く分布する。
山田實『沖縄の民俗と祭祀』、宮城真治『沖縄の民俗』、伊波普猷『古琉球』など近代琉球民俗学・古典学の主要文献に体系的に採録される。柳田國男『海上の道』にも琉球の樹精として言及される。沖縄県立芸術大学・沖縄県立博物館の民俗資料、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に分布事例が整理される。村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)にも項目立てされる。
呼称の地域差として、本島北部では「キジムン」、宮古島では「ブナガヤ」(赤毛の樹精)、八重山では「セー」「ヤマンガラサー」と分岐する。本土の樹精・木霊(こだま)、河童譚と機能的に対応するが、海の漁を主軸とする点が琉球文化特有の系譜を示す。沖縄県大宜味村喜如嘉のガジュマル古木はキジムナー伝承地として知られ、観光・民俗資料の対象となっている。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
キジムナーに関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/キジムナー - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
キジムナーの概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%83%8A%E3%83%BC