
鳥の怪異
以津真天は京都府を主な手がかりとして整理する怪異。空を飛び人を驚かす怪鳥として語られる怪異として語られ、対応する伝承と地図上の土地へつながる。
以津真天(いつまで、いつまでん)は、京(京都市)の宮中に現れたとされる怪鳥。『太平記』巻十二「広有怪鳥を射る事」の段に記され、建武元年(1334 年)の秋頃、毎夜紫宸殿の上に現れて「いつまで、いつまで」と鳴き続け、武士・隠岐次郎左衛門広有が矢で射落としたという。鳥山石燕『今昔画図続百鬼』に図像化されて以後、怪鳥として広く知られる。
代表的な伝承では、建武年間の疫病で死者の埋葬が滞った折、怨念が凝った怪鳥が紫宸殿の上に現れ、「いつまで、いつまで」と鳴いて夜の宮中を不穏にした。広有が大矢で射落とすと、人面・蛇身・曲がった嘴・刃のような爪を持つ異形であったと記される。図像は石燕により定着し、近世の妖怪絵巻・絵本に継承された。
『太平記』(南北朝期成立)巻十二「広有怪鳥を射る事」が古い文献的言及として最も重要である。鳥山石燕『今昔画図続百鬼』(安永八年、1779 年)が図像を確立し、村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)に独立項として整理される。国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースにも採録される。
鳴き声から「いつまで」とも「ぬえ」とも結びつけられたが、平家物語のぬえとは別個の怪異として扱われる。疫死者の怨念の凝結という性格は、平安以降の怨霊・疫鬼信仰と接続する。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
以津真天に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005年)など、各地の妖怪名と伝承を整理する二次資料。
以津真天 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
『太平記』に記される建武年間に京の紫宸殿に現れた怪鳥「以津真天」に関する二次整理。鳥山石燕の図像化を含む。