鍋島の化け猫の分類ビジュアル

妖怪

鍋島の化け猫

公開検証済みなべしまのばけねこ発祥: 佐賀県

鍋島の化け猫は佐賀県を主な手がかりとして整理する怪異。猫の怨念譚として語られる化け猫の性格を持ち、対応する伝承と土地へつながる。

概要

鍋島の化け猫(なべしまのばけねこ)は、肥前国佐賀(現・佐賀県)の鍋島藩を舞台に語られる化け猫の怪異。藩主鍋島光茂と家臣龍造寺又七郎の確執を背景に、又七郎の母の飼い猫が主家の仇を討つために猫又化し、藩邸で夜ごと怪異を起こすという筋で、近世講談・歌舞伎・浮世絵で大流行した。

出現の文脈

代表的な筋では、龍造寺又七郎が藩主に殺されたのち、母の飼い猫が母の血を嘗めて化け猫となり、藩主の側室や腰元を喰い殺して藩政を脅かす。家臣 千布本右衛門(または小森半左衛門)が化け猫を退治して藩は鎮まる、という展開を取る。舞台は佐賀城下・千鳥ヶ淵・天祐寺周辺で、佐賀市の鏡山稲荷・秀林寺などが伝承地として残る。

言及される伝承・典籍

講談「佐賀怪猫伝」、歌舞伎「花野嵯峨猫魔稿」(嘉永六年、1853 年)、河竹黙阿弥脚色「佐賀の夜桜」など近世演劇で広く流布した。司馬遼太郎『佐賀の夜桜』、京極夏彦『今昔続百鬼』にも翻案がある。元来の藩内伝承は近世初期に遡るとされ、佐賀藩の禁書扱いの記録も伝わる。国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」にも収録されている。

異伝・変種

化け猫の代表的事例として、有馬の化け猫(筑後)、岡崎の化け猫(三河、東海道四谷怪談に挿入)、岩見重太郎の化け猫退治譚と並置されることが多い。猫又・尾裂け猫といった近縁の動物変化譚に連なり、年経た猫が二股の尾に変じて化けるとする説(『徒然草』第八十九段)にも繋がる。

出典

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