
伝承
鍋島化け猫伝承は佐賀県を主な舞台として整理する伝承。鍋島の化け猫との関係を持ち、土地と怪異を結ぶ入口になる。
鍋島化け猫(なべしまばけねこ)伝承は、肥前国佐賀藩の藩主・鍋島家の御家騒動に化け猫の怨霊が絡むとされる、近世佐賀の代表的怪談である。江戸前期、鍋島家家臣の龍造寺又七郎(りゅうぞうじまたしちろう)が藩主の機嫌を損ねて殺害され、母が悲嘆の末に自害すると、その血を舐めた飼い猫が化け猫となって藩主夫人に取り憑き、夜ごと藩邸に怪異を起こした、と伝えられる。家臣・小森半左衛門(こもりはんざえもん)が宿直の夜に化け猫の正体を見破り、退治することで一件落着する。鍋島騒動(龍造寺・鍋島の家督交替問題)という史実が背景に置かれた歴史化け猫譚で、歌舞伎『嵯峨奥妖猫談(さがのおくようびょうだん)』として広く上演された。
物語は三段で構成される——(一)龍造寺家臣の非業の死と母の自害、(二)猫の怨霊化と藩邸での怪異、(三)小森半左衛門による退治と鎮魂。御家騒動の史実と化け猫怪談を重ねる構造は、有馬の化け猫騒動(久留米藩)、岡崎の化け猫騒動(岡崎藩)と並ぶ「藩政化け猫物」の系譜を成す。歌舞伎・講談を通じて全国に流布した。
舞台は佐賀県佐賀市の旧佐賀城周辺と、龍造寺八幡宮(佐賀市白山)。鍋島家菩提寺・高伝寺(こうでんじ、佐賀市本庄町)には鍋島家代々の墓が並ぶ。佐賀城本丸歴史館が藩政期の関連資料を保存・公開する。
歌舞伎『嵯峨奥妖猫談』(明治期上演)、講談『鍋島騒動』が物語の流布版を担う。原資料としては『佐賀藩家臣団系図』、地方文書群が背景史を伝える。佐賀県教育委員会編『佐賀県史 民俗編』、佐賀城本丸歴史館の関連資料に詳しい。化け猫怪談自体は江戸後期から明治にかけての草双紙・芝居台本で増殖した。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
鍋島化け猫伝承に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/鍋島化け猫伝承 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
鍋島化け猫伝承の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8D%8B%E5%B3%B6%E5%8C%96%E3%81%91%E7%8C%AB%E4%BC%9D%E6%89%BF