
鬼
がごぜは奈良県を主な手がかりとして整理する怪異。寺に現れる鬼として語られる怪異として語られ、対応する伝承と地図上の土地へつながる。
がごぜ(元興寺、がごじとも)は、奈良市の元興寺の鐘楼に現れたとされる鬼の怪異。『日本霊異記』上巻第三縁に、敏達天皇朝に雷神の落とし子として生まれた強力な童子(後の道場法師)が、元興寺で夜々僧を取り殺す鬼を退治した伝承として記される。鬼の名から「元興寺(がごぜ)」が古い妖怪呼称として子供を怖がらせる言葉にも転用された。
代表的な伝承では、元興寺の鐘楼に毎夜現れて勤めの僧を取り殺していた鬼を、力自慢の童子が四隅の柱の陰に潜んで待ち伏せ、髪の毛を引きむしって退治した。鬼は鐘楼の壁に毛を残して逃げ去り、二度と現れなかったとされる。古代寺院に潜む邪鬼を仏法の力(道場法師)が制圧する典型的な構図を持つ。
景戒『日本霊異記』(弘仁年間、九世紀初頭)上巻第三縁が古い文献的言及にあたる。『今昔物語集』巻十一にも継承され、中世の説話集に広がる。鳥山石燕『画図百鬼夜行』にも「元興寺」として図像化される。村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)に独立項として整理され、国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースにも採録される。
「がごじ」「がごぜ」「ぐわごぜ」など呼称の揺れがあり、近世以降は子供を脅す妖怪一般の名としても用いられた。道場法師は元興寺の道場法師像や、奈良の力士神信仰と結びつく。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
がごぜに関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005年)など、各地の妖怪名と伝承を整理する二次資料。
元興寺 (妖怪) - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
奈良市元興寺の鐘楼に現れたとされる鬼「がごぜ(元興寺)」に関する二次整理。『日本霊異記』の道場法師譚を含む。