
音の怪異
静か餅は栃木県を主な手がかりとして整理する怪異。夜道や家の周辺で餅をつく音として語られる怪異として語られ、対応する伝承と地図上の土地へつながる。
静か餅(しずかもち)は、夜中に家の周囲で誰かが餅を搗くような音だけが聞こえる音の怪異。鳥山石燕『画図百鬼夜行』にも近縁の図像があり、栃木県や関東各地で類話が伝わる。音だけが現れ、姿を伴わないことが特徴で、聞いた者の貧富や運勢に関わるとも語られる。
代表的な伝承では、深夜に「ぺったり、ぺったり」と餅を搗く音が家の近くから聞こえ、外を確かめても誰もいないという形で語られる。地域により、音が遠ざかれば家が富み、近づけば家が衰えるとも、逆とも伝えられる。音による吉凶の予兆譚としての性格を持つ。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』をはじめとする江戸期の怪異絵本に類話が記録され、近代以降は柳田國男の音の怪異研究、村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)に整理される。国際日本文化研究センターの怪異・妖怪伝承データベースにも栃木県内の事例が採録される。
音だけの怪異としては「家鳴り」「小豆洗い」など同系統が知られ、餅搗きという生活音に結びついた点が静か餅の固有性である。地域では「夜餅つき」「闇餅」と呼ばれる類話もある。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
静か餅に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005年)など、各地の妖怪名と伝承を整理する二次資料。
静か餅 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
鳥山石燕『画図百鬼夜行』に採録される夜に餅を搗く音だけが聞こえる怪異「静か餅」に関する二次整理。