
付喪神
唐傘お化けは、富山県高岡市を入口にたどる怪異。古い傘が一つ目や一本足の姿で語られる
唐傘お化け(からかさおばけ)は、古い和傘に一つ目と長い舌、一本足が生えた付喪神。傘の柄を足に、開いた傘を体にして跳ねるように歩く姿で描かれる。日本の妖怪のなかでも最も知名度の高い付喪神の一つで、近世図像・絵巻・玩具に頻出した。
室町期の『付喪神絵巻』に源流があり、長年使われ捨てられた道具が百年を経て霊を得て妖怪化する付喪神思想を体現する代表的存在。江戸期の絵本・浮世絵・お化け絵巻に多く描かれ、特に北斎漫画や歌川派の妖怪絵に「一つ目傘」「傘化け」として登場する。雨夜に傘立てから跳ね出して家中を歩き回る、捨てられた古傘が雨の道で人を脅かすといった筋で語られる。
室町期『付喪神絵巻』(崇福寺本ほか)が源流。鳥山石燕『画図百鬼夜行』系列にも図像が継承され、近世の絵本『化物尽絵巻』『百怪図巻』に類像が頻出する。葛飾北斎『北斎漫画』、月岡芳年・河鍋暁斎の妖怪画にも描かれた。近代以降は村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)等の事典類に整理され、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」にも採録される。
付喪神の代表格として「提灯お化け」「鳴釜」「琴古主」「琵琶牧々」と並置される。一つ目・一本足という身体特徴では、近縁の一つ目妖怪「一目連(いちもくれん)」「目一つ坊」と図像的に連なる。富山県の地域固有譚としての記録は限定的で、近世の付喪神思想と全国流通した妖怪絵巻に由来する妖怪として整理される。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース 唐傘お化け
一次文献国際日本文化研究センター
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース 唐傘お化けに基づく唐傘お化けの代表的な典拠整理。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
日本妖怪大事典などを参照した唐傘お化けの地域的受容と類縁語の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。