
妖怪
姑獲鳥は京都府を主な手がかりとして整理する怪異。産や子をめぐる女の怪異の性格を持ち、対応する伝承と土地へつながる。
姑獲鳥(うぶめ)は、産で命を落とした女性が、血のついた腰巻きをまとい、赤子を抱いて夜道に現れる怪異。出会った者に赤子を預けようとし、預かると赤子は次第に重くなり岩のようになるが、最後まで抱き続けると怪力・宝・武勇を授かるという「子預け」型の譚で広く流布した。
代表的な筋は、夜の橋のたもと・川辺・辻で、血まみれの腰巻きの女に呼び止められ、赤子を抱いてくれと頼まれる、というもの。預かった者が念仏を唱えれば赤子は軽くなり、最後まで耐えれば朝には怪力・名刀・財宝を得る。山城国(京都府)・近江国(滋賀県)の河原や橋に集中し、後代には武家の武勇譚と結びついた。源頼光・源頼政の四天王筆頭、渡辺綱が橋姫と並んで姑獲鳥の赤子を抱き切って怪力を得た譚も伝わる。
鳥山石燕『画図百鬼夜行』陰の巻(安永五年、1776 年)に「うぶめ」として図示され、血まみれの腰巻きで赤子を抱く女の姿が描かれる。出自は中国の『本草綱目』に出る「姑獲鳥」(産女の魂が鳥となる)に遡り、漢字表記もこれによる。日本では『今昔物語集』巻二十七、『古今著聞集』、近世の怪談『諸国百物語』『古今百物語評判』に類話が見える。近代以降は村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)と国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に整理されている。
産・子をめぐる女性怪異として「産女(うぶめ)の幽霊」「子預け幽霊」と互換的に語られる。京都の一条戻橋・五条大橋・宇治橋など、橋を舞台とする譚は橋姫信仰と接続する。九州では「うぶめ鳥」として鳥形で語られる地域があり、中国の姑獲鳥(鳥形)と日本の産女(人形)が並立する二層構造を持つ。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
姑獲鳥に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/姑獲鳥 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
姑獲鳥の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%91%E7%8D%B2%E9%B3%A5