
妖怪・怪異
狐付(きつねつき)は、京都府綾部市に伝わる怪異・妖怪の呼称です。『民族と歴史』(1920年)の資料情報から確認できます。
狐付(きつねつき)は、狐の霊が人に憑依する現象、あるいはその憑依された状態を指す呼称。京都府綾部市など丹波地方を含む全国各地に類話が伝えられ、近世から近代にかけて広く語られた憑き物現象である。『民族と歴史』(1920 年)の資料情報にも記録される。
典型的な筋は、ある人が突然性格が変わり、狐のような動作や食欲を示す、あるいは口寄せに似た口調で狐の名乗りを上げる、というもの。家族や祈祷師が祓いを行い、神社の祈祷・修験者の加持で狐を退散させる、という対処の語りが定型である。丹波・丹後・但馬の山間部、東日本の管狐(くだぎつね)信仰圏、出雲のオサキ信仰圏など、憑き物が体系化された地域に類話が集中する。
喜田貞吉編『民族と歴史』第3巻第6号(1920 年)の「憑物研究」特集に丹波・綾部地域の狐付き事例が収録される。柳田國男『妖怪談義』(1956 年)、速水保孝『憑きもの持ち迷信』(1976 年)、村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に各地の事例が収録される。
近縁怪異として「管狐(くだぎつね)」(信州・甲斐)、「オサキ狐」(関東北部)、「人狐(にんこ)」(出雲)と憑き物筋の主題を共有する。丹波地方の狐付は、稲荷信仰の濃厚な地域に重なる傾向が指摘され、稲荷の眷属としての狐と憑き物としての狐が混淆する位置に立つと伝えられる。
日文研 怪異・妖怪伝承データベース: 狐つき
一次文献田中新次郎
田中新次郎、「因伯における狐憑の問題と実話」、『出雲民俗』、1953年、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」ID 0140016
https://www.nichibun.ac.jp/cgi-bin/YoukaiDB3/youkai_card.cgi?ID=0140016日文研 怪異・妖怪伝承データベース: 狐付
一次文献坂根生
坂根生、「丹波西北部の特殊民」、『民族と歴史』、1920年、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」ID 2400010
https://www.nichibun.ac.jp/cgi-bin/YoukaiDB3/youkai_card.cgi?ID=2400010