
憑き物
管狐は、長野県周辺の狐に関わる使役・憑き物の語りとして整理する怪異。日文研 DB と妖怪事典を手がかりに、土地、呼称、類縁語を分けて辿れる。
管狐(くだぎつね)は、長野県・山梨県・静岡県など中部山岳地帯を中心に伝わる小型の狐の妖怪。竹筒に入るほど細長い体で、特定の家筋(管狐筋・狐持ち)に飼われ、主人の命で他人に憑いて病や災いを起こすとされる。憑き物筋差別の根拠となった代表的な憑き物の一つ。
管狐は山伏や修験者が信州飯縄山(飯綱山、長野県長野市)で修行して使役の術を授かったとされ、竹筒に封じて持ち運び、命じて他家へ憑かせると伝えられる。憑かれた者は腹痛・狂躁・絶食・異常な食欲を訴え、加持祈祷の山伏や巫女が落としを行った。長野県北信・東信、山梨県郡内地方、静岡県富士郡などで近代まで強い伝承分布があり、家筋差別の問題として民俗学の主要研究対象となった。
近世随筆では松浦静山『甲子夜話』(19 世紀前半)に管狐の図と記事が見え、後の鳥山石燕『画図百鬼夜行』系列の図像も派生する。柳田國男『山島民譚集』(1914 年)と『遠野物語拾遺』、速水保孝『憑きもの持ち迷信』(1953 年)が憑き物筋研究の基礎を作った。国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」と村上健司編著『日本妖怪大事典』(角川書店、2005 年)に体系的に整理されている。
近縁の憑き物として、信州飯綱山系の「飯綱(いずな)」、四国山間の「犬神」、山陰・山陽の「狐持ち」、九州の「外道」がある。長野県では飯綱と管狐をしばしば同体視する地域もあり、信濃国・甲斐国の山岳信仰と修験道の系譜が共通の背景となっている。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
管狐に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベースを、kudagitsune の detail source-readiness pass の一次資料として参照。
日文研 怪異・妖怪伝承データベース: 管狐
一次文献窪田空穂
窪田空穂、「管狐の事」、『郷土研究』、1913年、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」ID 0640025_001
日文研 怪異・妖怪伝承データベース: クダ狐
一次文献國學院大學民俗学研究会
國學院大學民俗学研究会、「静岡県庵原郡両河内村」、『民俗採訪』、1955年、国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」ID 2360145
https://www.nichibun.ac.jp/cgi-bin/YoukaiDB3/youkai_card.cgi?ID=2360145管狐 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
管狐の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%A1%E7%8B%90日本妖怪大事典
二次資料村上健司 編著
日本妖怪大事典を、名称・地域差・類縁語を確認する二次資料として参照。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。