
日本神話
天津久米命は、天孫降臨に位置づける神格。天孫降臨に供奉する神格として、久米氏の祖神伝承へつながる
天津久米命(あまつくめのみこと)は、『古事記』『日本書紀』に記される天津神。天孫降臨に従う五伴緒(いつとものお)の一柱で、天忍日命(あめのおしひのみこと)とともに武装して邇邇芸命の道を護った武の神格。久米氏(くめうじ)の祖神とされる。
『古事記』上巻 天孫降臨段では、邇邇芸命の降臨に際し「天忍日命・天津久米命の二人、天の石靫を取り負ひ、頭椎の大刀を取り佩き、天の波士弓を取り持ち、天の真鹿児矢を手挾み、御前に立ちて仕へ奉りき」と記される。降臨の先導と護衛を担う神格として位置づけられる。神武東征段でも久米歌(くめうた)を歌う久米部の祖神として登場する。
新撰姓氏録(弘仁六年・815 年)では久米直(くめのあたい)の祖神とされる。同行する天忍日命とは並列の武の神格として一対をなし、天忍日命が大伴氏の祖神となるのに対し、天津久米命は久米氏の祖神となる。神武東征段で歌われる久米歌は、東征に従った久米部の戦闘讃歌として『古事記』に収められた。
久米御縣神社(くめのみあがたじんじゃ、奈良県橿原市)、久米八幡神社(愛媛県松山市)など、久米氏の本拠地に祭祀が分布する。橿原神宮(奈良県橿原市)が神武天皇即位地として大正期に整備された際にも、久米歌の伝統に関わる神格として記憶される。古代の軍事氏族の祖神として、武芸祭祀の対象となってきた。
天津久米命 あまつくめのみこと
一次文献國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」天津久米命。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/amatsukumenomikoto/古事記 上巻 天孫降臨段
一次文献古事記 上巻 天孫降臨段に基づく神格・系譜・登場場面の整理。
神道・神名辞典 天津久米命項
二次資料神道・神名辞典 天津久米命項を参照した神格名・関連文脈の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。