
伝承
霧島天孫降臨伝承は、鹿児島県霧島市を入口にたどる伝承。鹿児島県霧島市を代表地点として、神話・創世の文脈で語り継がれる物語を整理する
霧島天孫降臨伝承は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)が高天原から葦原中国(あしはらのなかつくに)に降臨した「天孫降臨」の地を、日向の高千穂峰(たかちほのみね)に比定する神話伝承である。邇邇芸命は三種の神器(八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣)と稲穂を携え、天忍日命(あめのおしひのみこと、大伴氏祖)・天津久米命(あまつくめのみこと、久米氏祖)を従え、五伴緒(いつとものお)を伴って高千穂峰に降り立ち、笠沙岬で木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやびめのみこと)と出会って三柱の御子を儲ける。霧島連山の高千穂峰山頂には、邇邇芸命が突き立てたとされる「天逆鉾(あまのさかほこ)」が現在も残る。
物語は三段で構成される——(一)天照大御神の命と三種の神器・稲穂の授与、(二)邇邇芸命の高千穂峰降臨と笠沙への移動、(三)木花之佐久夜毘売との婚姻と日向三代の系譜成立。記紀の中核神話の一つで、天皇家の地上における始祖神話を成す。日向比定説(霧島連山)と高千穂郷比定説(宮崎県西臼杵郡高千穂町)の二大伝承地論争が中世以来続く。
霧島側の中心比定地は鹿児島県霧島市霧島田口の霧島神宮(きりしまじんぐう)と、霧島連山の高千穂峰(標高 1,574m)。山頂の「天逆鉾」、馬の背と呼ばれる稜線、御鉢(おはち)火口が伝承の景観を成す。もう一つの比定地は宮崎県西臼杵郡高千穂町の高千穂神社・天岩戸神社一帯で、両地が高千穂比定の二極を形成する。日向三代を祀る鵜戸神宮(日南市)、青島神社(宮崎市)、宮崎神宮(宮崎市)と日向神話圏を共有する。
『古事記』上巻「天孫降臨」段、『日本書紀』神代下第九段(本文・一書)、『日向風土記』(逸文)に中核叙述が残る。霧島神宮社伝、中世以降の『高千穂宮縁起』、近世地誌『三国名勝図会』(天保十四年・1843 年)等が地域への定着を伝える。坂本太郎・井上光貞らの記紀研究、神野志隆光の記紀神話論を二次整理として参照する。
古事記・日本書紀関連資料 霧島天孫降臨伝承
一次文献古事記・日本書紀関連資料 霧島天孫降臨伝承に基づく霧島天孫降臨伝承の代表的な典拠整理。
古事記・日本書紀
二次資料古事記・日本書紀などを参照した霧島天孫降臨伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
あなたの縁
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名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。