
日本神話
天探女は、国譲りに位置づける神格。天若日子の物語に現れる神格として、国譲りの使者の流れを補う
天探女(あめのさぐめ)は、『古事記』『日本書紀』に記される天津神の女神。葦原中国平定段で天若日子に仕える女神として登場し、天界からの使者 雉名鳴女(きぎしのなきめ)の言葉を天若日子に伝える役を担う。
『古事記』上巻 葦原中国平定段では、天界から派遣された雉名鳴女が天若日子のもとに「汝が八年に至るまで復奏ぬる事は何ぞ」と問う声を聞いた天探女が、天若日子に「この鳥は、その鳴く音いと悪し。射殺すべし」と進言する場面が記される。これにより天若日子は雉名鳴女を射殺するが、その矢が天に達して天若日子自身を射返すこととなる。『日本書紀』神代下 第九段一書にも対応する。
独立した天津神の女神で、明確な親神の伝承は記されない。葦原中国平定段における天若日子(あめわかひこ)の従属神として位置づけられ、下照比売命(したでるひめのみこと)が天若日子の妻となる物語の周辺神格として記憶される。後世の歌学・能楽では悪しき進言をする女神の典型として説話化された。
明確な主祭神社は少ないが、葦原中国平定段の神々を祀る系の社で配祀される例がある。中世以降の能楽『大江山』『阿漕』など、女神の進言を悪役化する系の物語に名が引かれ、神話の脇役神として記憶された。中世神道書では天魔・邪神に重ねる解釈も現れたが、本来は天津神系譜の一柱として位置づけられる。
天佐具売 あめのさぐめ
一次文献國學院大學 古典文化学事業「神名データベース」天佐具売。
https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/shinmei/amenosagume/古事記 上巻 国譲り段
一次文献古事記 上巻 国譲り段に基づく神格・系譜・登場場面の整理。
神道・神名辞典 天探女項
二次資料神道・神名辞典 天探女項を参照した神格名・関連文脈の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。