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伝承

一つ目小僧伝承

公開検証済みひとつめこぞうでんしょう

一つ目小僧伝承は東京都を主な舞台として整理する伝承。一つ目小僧との関係を持ち、土地と怪異を結ぶ入口になる。

あらすじ

一つ目小僧(ひとつめこぞう)伝承は、額の中央に大きな一つの目を持つ小坊主姿の妖怪が、十二月八日・二月八日の「事八日(ことようか)」の晩に家々を訪れ、家内を覗いて回るとされる怪異譚である。江戸の各家では事八日の前夜、笊(ざる)や目籠(めかご)を竿に括って軒先に高く掲げる「目籠揚げ」を行い、無数の目を持つ目籠を見せて一つ目小僧を退散させた、と伝えられる。柳田國男は一つ目小僧を中世の片目神(かため)信仰・タタラ神の零落と解し、神から妖怪への転化の典型例として論じた。

主な場面

物語は三段で構成される——(一)事八日(十二月八日・二月八日)の夜の訪れ、(二)家内の覗き込みと帳簿の付け取り(厄帳)、(三)目籠による退散と翌年の安全祈願。神の来訪(来訪神)と妖怪としての恐怖が二重写しになる稀有な存在で、ナマハゲ・トシドンなど来訪神祭祀の妖怪化形態として比較される。

舞台・伝承地

中心となる伝承圏は東京都を中心とする関東一円。江戸の事八日習俗は山の手・下町を問わず広く行われた。同類の一つ目入道・一つ目入道は静岡・群馬・栃木にも分布し、片目神の伝承(鍛冶神金山彦命・天目一箇神)とも接続する。

出典

柳田國男『一目小僧その他』(昭和九年・1934 年)が代表的考察。鳥山石燕『画図百器徒然袋』(天明四年・1784 年)にも一つ目入道の図がある。江戸期随筆『嬉遊笑覧』『東都歳事記』に事八日の目籠揚げ習俗の記述。東京都江戸東京博物館・国立歴史民俗博物館の関連資料に詳しい。

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