
伝承
宗像沖津宮伝承は、福岡県宗像市を入口にたどる伝承。福岡県宗像市を代表地点として、寺社縁起・地名由来の文脈で語り継がれる物語を整理する
宗像沖津宮伝承は、玄界灘に浮かぶ沖ノ島(おきのしま)に鎮座する沖津宮(おきつぐう)と、そこに祀られる宗像三女神の長女・田心姫神(たごりひめのかみ)をめぐる縁起伝承である。『古事記』上巻・誓約(うけい)段では、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)の誓約により生まれた三柱の女神が筑紫の宗像に降ろされ、海北道中(玄界灘の航路)を守護したと記される。沖ノ島・大島・宗像本土の三所に分かれて鎮座する三女神の信仰の起点が、最も奥なる沖津宮として語られる。
物語は三層で構成される——(一)天照と素戔嗚の誓約による三女神誕生、(二)三女神の筑紫降臨と海北道中守護、(三)沖ノ島の禁忌(女人禁制・上陸制限・島内のものを持ち出さない)の確立。古代の航路守護神の祭祀が、近代まで継承された禁忌共同体として残存する稀有な事例である。
比定地は福岡県宗像市の沖ノ島・宗像大社沖津宮。沖ノ島は本土から約 60km 沖に位置し、宗像大社の中津宮(大島)・辺津宮(宗像市田島)と合わせて「神宿る島」として 2017 年に世界文化遺産に登録された。4 世紀以降の祭祀遺跡が発掘され、奉献品の多くが国宝に指定されている。
『古事記』上巻 誓約段、『日本書紀』神代上 第六段。延喜式神名帳に「筑前国宗像郡 宗像神社三座」名神大社として登載。『宗像大菩薩御縁起』、宗像大社社伝、文化庁 世界遺産関連資料に詳しい。
寺社縁起・社寺由緒資料 宗像沖津宮伝承
一次文献寺社縁起・社寺由緒資料 宗像沖津宮伝承に基づく宗像沖津宮伝承の代表的な典拠整理。
日本伝説大系
二次資料日本伝説大系などを参照した宗像沖津宮伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。