
伝承
のっぺらぼう伝承は東京都を主な舞台として整理する伝承。のっぺらぼうとの関係を持ち、土地と怪異を結ぶ入口になる。
のっぺらぼう伝承は、目・鼻・口のない卵のような顔ののっぺりとした妖怪が夜道で人を脅かすとされる、近世怪異の代表例である。江戸の市中・坂・橋・墓地で人の姿を取って現れ、こちらが声をかけると振り向き、その瞬間に顔がのっぺりと無いことを露わにする、という二段構造を取る。多くの場合、狢(むじな)や狐の化けた仕業とされ、人を直接害することはないが、恐怖で気絶させて去る。東京都港区の赤坂・紀伊国坂の伝承が小泉八雲『怪談』「むじな」によって世界的に知られ、のっぺらぼう怪談の代表として定着した。
物語は二段の「裏切り構造」で組み立てられる——(一)人間の姿としての初遭遇と日常会話、(二)顔の不在の露見と恐怖。さらに「救いを求めた相手も同じ妖怪だった」という二度落ち型に発展する版もある(赤坂のっぺらぼう/むじな譚)。視覚的同定の前提が崩れる構造で、近代以降のホラー映画・漫画の元型として頻繁に参照される。
中心となる伝承圏は東京都港区赤坂・新宿区四ツ谷・文京区本郷など江戸の坂と寺町。同類の妖怪「ぬっぺふほふ」「ぬっぺらぼう」が鳥山石燕の絵巻に見え、近世怪異絵巻の系譜に位置する。京都・大阪にも類話が分布する。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)『怪談 Kwaidan』(明治三十七年・1904 年)「むじな(Mujina)」が世界的流布版。鳥山石燕『画図百鬼夜行』(安永五年・1776 年)に類縁の「ぬっぺふほふ」が収められる。江戸期の随筆『梅翁随筆』『甲子夜話』にも類話の言及がある。
国際日本文化研究センター 怪異・妖怪伝承データベース
一次文献国際日本文化研究センター
のっぺらぼう伝承に関わる怪異・伝承資料の参照入口。
https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiDB3/のっぺらぼう伝承 - Wikipedia 日本語版
二次資料Wikipedia contributors
のっぺらぼう伝承の概要に関する二次整理。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AE%E3%81%A3%E3%81%BA%E3%82%89%E3%81%BC%E3%81%86%E4%BC%9D%E6%89%BF