
伝承
大山阿夫利雨降伝承は、神奈川県伊勢原市を入口にたどる伝承。神奈川県伊勢原市を代表地点として、山岳信仰の文脈で語り継がれる物語を整理する
大山阿夫利(おおやまあふり)雨降伝承は、神奈川県伊勢原市の大山(おおやま)に鎮座する大山阿夫利神社の主祭神・大山祇大神(おおやまつみのおおかみ)と、山頂を覆う雲が雨を呼ぶとされる雨乞信仰の伝承群である。「あふり」は雨降(あめふり)の意とされ、丹沢山系東端に聳える円錐形の山容に湧く雲がしばしば雷雨をもたらすことから、古代より関東一円の農耕民が雨乞いに参詣した。江戸期には大山詣(おおやまもうで)が大流行し、講中を組んで江戸からの街道を歩く参詣文化が定着、落語『大山詣り』に題材化された。
伝承は三層で構成される——(一)山容と気象現象の同一視(雲=神威)、(二)大山祇神信仰と雨乞祭祀、(三)江戸期の大山講中・先導師(御師)制度の確立。山岳信仰と気象観測の交わりを示す好例で、神格は山の神・水の神・雷神を兼ねる重層性を持つ。同じ大山祇神を祀る伊豆国一宮・三嶋大社(静岡県三島市)との祭祀的接続が認められる。
比定地は神奈川県伊勢原市大山の大山阿夫利神社(本社は山頂、下社は中腹)。標高 1252m。延喜式神名帳に「相模国大住郡 阿夫利神社」と登載される式内社で、丹沢大山国定公園の一部。山頂からは富士山・相模湾を一望する。
延喜式神名帳、『新編相模国風土記稿』、『大山寺縁起絵巻』。落語『大山詣り』、江戸期の道中記・浮世絵(歌川広重『相州大山』など)にも参詣文化が描かれる。大山阿夫利神社社伝、伊勢原市教育委員会の地域資料も基礎史料となる。
寺社縁起・社寺由緒資料 大山阿夫利雨降伝承
一次文献寺社縁起・社寺由緒資料 大山阿夫利雨降伝承に基づく大山阿夫利雨降伝承の代表的な典拠整理。
日本伝説大系
二次資料日本伝説大系などを参照した大山阿夫利雨降伝承の地域的受容と異伝の補助確認。
名称や説話、図像、儀礼に重なる具体モチーフです。