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伝承

大山の天狗伝承

公開検証済みおおやまのてんぐでんしょう

大山の天狗伝承は神奈川県を主な舞台として整理する伝承。大山天狗との関係を持ち、土地と怪異を結ぶ入口になる。

あらすじ

大山(おおやま)の天狗伝承は、神奈川県伊勢原市の大山(おおやま)に棲むとされる天狗・大山伯耆坊(おおやまほうきぼう)と眷属の烏天狗(からすてんぐ)たちの伝承である。大山阿夫利神社の主祭神・大山祇大神を護る護法神格として位置づけられ、夜ごと大山山中を飛翔して結界を巡る、と語られる。江戸期、大山詣(おおやまもうで)の参詣者の間で大山伯耆坊は鞍馬の僧正坊と並ぶ大天狗として知られ、参詣者を護る一方、不届きな者には罰を与えると伝えられる。日本八大天狗の一柱に数えられる。

主な場面

物語は三段で構成される——(一)大山阿夫利神社・大山寺の鎮守神としての位置づけ、(二)山中の夜の飛翔と結界巡り、(三)参詣者への加護と不届者への懲罰。京都鞍馬山の僧正坊、滋賀比良山の次郎坊、東京高尾山の内供奉などと並ぶ「日本八大天狗」の系譜に立ち、山岳信仰と天狗信仰の習合を示す典型例である。

舞台・伝承地

比定地は神奈川県伊勢原市の大山(標高 1252m)。大山阿夫利神社(下社・本社)、大山寺(だいせんじ、雨降山大山寺)が信仰の中心で、丹沢大山国定公園に含まれる。江戸期の大山街道(青山街道・矢倉沢往還)が江戸からの参詣路として整備された。

出典

『大山寺縁起絵巻』、『新編相模国風土記稿』、『日本八大天狗考』。大山阿夫利神社社伝、大山寺寺伝、近世の道中記・浮世絵(歌川広重『相州大山』など)に大山詣の参詣文化と天狗信仰が描かれる。落語『大山詣り』にも背景情景として登場する。

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