遠野の座敷童子伝承の分類ビジュアル

伝承

遠野の座敷童子伝承

公開検証済みとおののざしきわらしでんしょう

遠野の座敷童子伝承は岩手県を主な舞台として整理する伝承。座敷童子との関係を持ち、土地と怪異を結ぶ入口になる。

あらすじ

遠野の座敷童子(ざしきわらし)伝承は、岩手県遠野盆地の旧家・名家の奥座敷に棲むとされる、童(わらべ)姿の家の守り神に関する譚である。五、六歳ほどの男女の子の姿で、おかっぱ頭に赤い顔をしており、夜中の奥座敷で枕返しをしたり、廊下を走る足音をたてたり、無人の座敷で糸車を回したりする。家人を直接害することはなく、むしろ座敷童子が居る家は栄え、出てゆくと家は傾くとされる。柳田國男『遠野物語』第十七話・第十八話に岩手県上閉伊郡(現遠野市・釜石市)の旧家での目撃譚が収められ、座敷童子伝承の代表的事例として知られる。

神話の構造

物語は三段で構成される——(一)旧家の奥座敷での目撃と気配の感受、(二)家運の盛衰と座敷童子の去就の照応、(三)退去後の家の没落。家の繁栄を司る守護霊格の人格化として、稲荷・屋敷神信仰と接続する性格を持つ。座敷童子との関係を持つ民俗観念は、遠野郷の山男・河童伝承群と並んで遠野民俗の核を成す。

舞台・伝承地

比定地は岩手県遠野市の旧家、特に綾織・松崎・土淵などの旧村地区。釜石市の旧家にも著名な事例があり、佐々木喜善(ささききぜん)の聞き取りに基づく旧家が現存する。盛岡市の老舗旅館にも同類の伝承があり、岩手県中央部から沿岸部にかけて広く分布する。

出典

柳田國男『遠野物語』(明治四十三年・1910 年)第十七話・第十八話。佐々木喜善『奥州のザシキワラシの話』(大正九年・1920 年)、同『遠野物語拾遺』。岩手県教育委員会編『岩手県史 民俗編』、遠野市立博物館 関連資料、遠野市の文化財指定資料に詳しい。

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